カニのふわふわ
岩手県食の匠:菅野琢子(平成21年度認定)
陸前高田市の横田町を中心とする気仙川流域で昔から食べられているカニ料理で、200年余り前から伝わっていると推定されます。旧今泉村(現陸前高田市気仙町今泉)の吉田家に伝わる「四條流御料理極秘書」にも登場する料理で、気仙川でとれるモクズガニを使って作ります。昔はカニ主体の汁物でしたが、現在ではほうれんそうや豆腐の入ったものが一般的です。
材料(8人分)
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モクズガニ
水
豆腐
ほうれんそう
うすくちしょうゆ
-
7杯(甲羅の大きさ8cm、重量120g)
1,600cc
1丁
1束
120cc
作り方
1 モクズガニを殻ごとつぶす。
2 つぶしたカニに水を少量加え、ザルで濾す。濾しながら、さらに水を上から少しずつかけ、身や汁を殻から洗い流すように濾しきる。
3 ほうれんそうは2cm、豆腐は1cm角に切る。
4 濾した汁を鍋に入れ弱火にかけ、焦げないようにヘラで鍋底をゆっくりなでるようにかき混ぜながら煮ていく。
5 しだいにカニが固まり始めたら、ほうれんそうと豆腐を加え、しょうゆで味付けをする。
6 ひと煮立ちしたら完成。
料理のポイント
1 気仙地方では、カニを1斗缶に入れ、杵で叩きつぶす。つぶす程度は、カニの殻が、大きい物でも小指の爪程度になるまでよくつぶすこと。カニはつぶすことが大切で、フードプロセッサなどで、砕いたものでは上手く固まらない場合がある。
2 つぶしたカニをザルで濾す際に、水の量が多すぎると固まらないので、少量の水で静かに丁寧に濾す。
3 火にかけてから固まるまで、焦げ付かないようにゆっくりかき混ぜながら加熱する。ゆっくり過ぎてもほうれん草に絡むようにきれいにまとまらないし、強すぎると細かい粒状に固まってしまうので注意する。
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