わかめ大福
岩手県食の匠:古澤弥代子(令和4年度認定)
大船渡市は三陸わかめの産地で、中でも末崎町は養殖わかめ発祥の地とされ、わかめ生産が盛んなことから、昔からわかめを活用した様々な料理が食べられてきました。
わかめ養殖では、成長を促すため、密集しているわかめを取り除く「間引き作業」を行います。昔は、この間引きわかめは、捨てられていましたが、柔らかく味も良いことから、地元では天日で寒ざらしにして乾燥保存し、料理に活用されていました。
「わかめ大福」は、よもぎの代わりに乾燥わかめの粉を使って大福にしたもので、浜仕事や畑仕事の合間におやつとして食べられてきました。
材料(12個分)
-
〔生地〕
うるち米粉(A)
砂糖(A)
わかめ粉(A)
重曹(A)
塩(A)
湯
片栗粉
-
300g
150g
大さじ2(乾燥わかめを粉状にしたもの)
大さじ1
少々
500ml
適量
-
〔あん〕
小豆
中双糖
黒砂糖
上白糖
塩
-
500g
350g
70g
35g
少々
作り方
〔わかめ粉〕
1 12月末から3月始め頃にとれる30~40センチメートル程度の間引きわかめをひもで吊るすか、網やザルの上に広げて、寒い日に天日で2日程度、水分が抜けるまで干す。
2 乾燥したわかめをすり鉢ですり、粗めの粉状にする。
〔つぶあん〕
1 小豆が隠れるくらいの水を加えて一晩浸す。
2 1の水を捨て、鍋に小豆を入れたら、小豆が浸るくらいの水を加え、10~15分強火にかける。
3 沸騰しアクが出たら、ザルにあけて水で洗い、小豆を鍋に戻す。鍋に小豆の3倍の水を加え、焦げないように時々かき混ぜながら中火で2~3時間煮詰める。
4 小豆が指でつぶれるくらい軟らかくなったら中双糖と黒砂糖、上白糖を加え弱火で煮詰め、塩を少々入れて味を調える。
5 あんは、12個(1個30~40g)にまるめておく。
〔生地〕
1 うるち米粉と重曹はふるって、Aを混ぜ合わせておく。
2 Aに数回に分けて沸騰させた湯を入れ、その都度箸で混ぜる。全て湯を入れたら手のひらで軽くこね、4等分する。
3 クッキングシートを敷いた蒸し器に4等分にした生地を置く。置いた生地に指で3~4か所穴を開け、20~25分蒸す。
4 片栗粉をひいたまな板に蒸した生地をのせ、生地がまとまりやわらかくなるまで手のひらで押し込むようにこねる。こねた生地は12等分(70~80g)にまるめる。
5 3を平らに伸ばし、丸めたあんを包む。生地はふちをやや厚めに伸ばし、その部分を指でつまむようにして包むと良い。
料理ポイント
1 わかめを粗めにすり、生地に重曹を加えることで綺麗な緑色になる。
2 手のひらで押し込むようにこねることで、やわらかく、きめ細かい生地になる。
3 生地に穴を開けることで、蒸気が通りやすく、均一に蒸しあがる。
4 あんは、3種類の砂糖を加えることで色が濃く、コクがある中にもすっきりとした甘さが感じられるものに仕上がる。
5 現在では、間引きわかめは「早採りわかめ」として12月~2月頃に販売されており、このわかめを干して粉にした状態で冷凍保存できる。乾燥させた間引きわかめは、用途により、粉状または1cm角にカットして保存すると様々な料理に使える。
6 市販の乾燥わかめで代用する場合は、間引きわかめよりも厚いため、より細かい粉状にして使用する。
添付ファイル
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このページに関するお問い合わせ
大船渡農業改良普及センター
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