長坂成子 『しだみだんご』
料理の紹介
「しだみ」は炭水化物等の栄養成分に優れ、腹持ちが良いこと、 貯蔵性に富むことなどから、二戸地方を代表する貯蔵食であり、主 食の不足を補うものとして食べられてきた。 しだみはコナラの果実の総称であり、コナラやカシワが美味しい と評され、好まれている。
材料(6個分)
だんご
- どんぐり 約 85 個 (乾燥しだみ100g、灰汁抜きしだみ200g)
注1 殻とごみを取り除いた状態のもの 注2 作り方【灰汁抜き】でできるもの
- 砂糖 25g
- 塩 1g
- きな粉 10g(好みで調整する)
灰汁水
- ナラの木灰 700g
- 水 1L
作り方
下準備・乾燥しだみ
1.生のしだみを水から煮て、沸騰したらざるに上げて広げ、殻が割 れるくらいカラカラになるまで干す。 (2週間程度かかる )
2.殻を割って中身を取り出す。干したものは密封して、長期保存が可能である。
下準備・灰汁水作り
1.布を敷いたざるにナラの木灰 700gを入れ、大きめの容器に載せ る。
2.熱湯1Lを注ぎ、静置する。上澄みをすくって集める。濁ったら 再び静置し、上澄みをすくう。 (2日程度かかる)
灰汁抜き
1.鍋に乾燥しだみとたっぷりの水に入れて火にかけ、沸騰したら 弱火にし、1時間程度ことこと(しだみが踊らない程度)煮る。
2.水を替えて再び煮る。
3.これを 10 回程度繰り返す。
4.10 回のうち3回目はたっぷりの灰汁水で煮る。
5.味を見ながら灰汁が抜けるまで煮て、お湯を捨てる。
だんご作り
1.灰汁抜きしたしだみを弱火にかけ、砂糖と塩を加える。
2.水分がなくなったら火を止める。
3.粗熱が取れたらミキサーにかける。(ミキサーがない場合はへら やすりこぎなどでつぶしても良い。)
4.6等分にして1個 40g弱の団子状に形を整える。
5.好みできな粉をつけていただく。
料理のポイント
- 灰汁抜きでは、火加減が強いとしだみがこなれ、こげやすくなる ため、ことこと煮える程度の弱火にする。
- ナラの灰汁水を使うことにより、きれいな黒色になり、風味が良くなる。
- 灰汁水に比べ風味が劣るが、重曹(小さじ1弱)でも代用できる。
- しだみの風味を感じるよう、砂糖は少なめ(13%程度)にしている。
- 小豆あんと混ぜても、もちや小麦の生地で包んでも、お汁粉のように食べても良い。
- 実演する場合の分量を記載しているが、実際には、一度に乾燥しだみ 11kg を灰汁抜きし、灰汁抜き後のしだみ2kg(乾燥しだみの倍の重さになる)に砂糖 13%、塩 11gを混ぜて冷凍保存する。これを解凍して 40gに分けて、形を整える。
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