笹山ひとみ 『てんぽ』
料理の紹介
「てんぽ」は、小麦粉に水分と塩を加えた生地を、型で挟んで焼いたもので、「てんぽせんべい」、「もちせんべい」とも呼ばれる。「てんぽ」は焼き方が足りないことを意味する方言「て(ん)ぼっけ」 から、「もちせんべい」は小麦粉でこねたものを地域で「もち」と呼ぶことから付けられたと言われている。
二戸地方のほか、青森県八戸市や三戸郡で食べられている。 地域によっては、釜についたご飯を集めて生地に入れることもあり、米を無駄にしない暮らしを感じさせる料理でもある。 二戸地方では小麦を中心とした食文化が定着しており、地域に多くのせんべい店があったことから、古くなったせんべいの焼き型を店から譲られ、所有している家も多かった。子どものおやつや農作業の小昼として作り、ごまやくるみ、えごま、えごまの葉などを入れて、焼かれている。
材料(10枚分)
- 小麦粉(ナンブコムギ) 300g
- 塩 6g(小麦粉の2%) 注塩分は好みで加減する
- 水 350 ml
- くるみ 6g
- ごま 8g
作り方
1.小なべで湯を沸かしておく。
2.小麦粉と塩をふるいにかけ、混ぜ合わせておく。
3.箸で軽く混ぜながら、熱湯を少しずつ加える。
4.生地を手でまとめる。こねすぎると生地が 固くなるので、ある程度(粉っぽさが少し 残る程度左写真参照)まとまったら、こねるのをやめる。
5.生地を 60gずつに分ける。
6.焼き型を火にかけ温める(十分熱しないと、 生地がくっついて離れない。最初の1枚はこげるくらいで良い)。
7.型にくるみとごまを、その上に生地を載せて挟み、弱火で焼く。
8.1分20秒程度焼いたらひっくり返し、裏面も同じ時間焼く。
9.火からおろして型を開け、バットなどに広げて冷ます。
料理のポイント
- 熱湯を使うこと(水を使うと、焼き上げた後に、時間とともに硬くなってくる。)。
- 熱湯を少量ずつ加えながら、混ぜること(一気に加えると、だまになりやすい)。
- せんべいの焼き型がなくても、フライパンやホットプレートを使って焼くことができる。その場合は、フライ返しなどで押さえながら焼くと良い。
- ごまやくるみのほか、好みの具(かつおぶし、青のり、チーズ等)を入れてもよく、子どもと一緒に調理を楽しみながら、家庭の味を作り出すことができる。
(令和2年認定)
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