浪岡良春 『手打ちそば』

ページ番号2011583  更新日 令和7年4月23日

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料理の紹介

 かつて県北地方では、米の取れ高が少なく、米の代わりとして、家庭でも手打ちそばが食べられてきた。

 手打ちそばは、祝い事などのごちそうとしても欠くことができないものであり、冠婚葬祭などの「お開き」の合図に出された。

 また、年取り、正月等の行事食としても、各家庭で作って食べられて いた。

 手打ちそばは、方言で「そばはっと」と言われることがある。南部藩ではぜいたく品としてそばを一時禁止したため、「御法度」から「そば はっと」と言うようになったという説もある。

 二戸地方では、雑穀の栽培が盛んで、キビなどを使った「へっちょこだんご」、「きびだんご」を使った郷土料理がある。 そばは、雑穀の一部であり、手打ちそばの他に、「柳ばっとう」「そばかっけ」「そばもち」「そばねり」などに利用される。

材料

〔そばの生地〕

  • そば粉 500g
  • 水 260ml
  • 打ち粉注 100g 注そばの実の中心部分を製粉したもの

〔薬味〕

  • ネギ 少々
  • ワサビ 少々

〔そばつゆ〕

(だし汁)

  • 水 1,000ml
  • 煮干し 25~30g
  • 昆布 10g

(かえし)

  • みりん 20ml
  • 醤油 280ml
  • 砂糖 60g
  • 酒 40ml

作り方

1 そば粉をふるいにかけ、よく混ぜる。

2 こね鉢にそば粉を入れ、平らにしたら、水100mlを全体に回し入れ、両手の指先で小さな円を描くように混ぜ合わせる。

3 水分が均一にいきわたり粉が生パン粉のようにパサパサしてきたら、さらに水80ml位を全体に回し入れ、2と同様に混ぜ合せる。

4 生地が、大きな粒状(直径3センチメートル位)になってきたら、さらに残った 80mlの水を入れ、2と同様に混ぜ合せる。生地の一握り(直径3cm 位)を取って、棒状にして折ってみて、ひびが割れなくなるのを確認するまで行う。

5 生地を一つにまとめ、力を入れて5分位こねる。この時、生地がなめらかになり、つやが出るまで丹念に練りこむ。

6 生地をまとめ、5センチメートル位の厚さの円形にしたら、両手を重ね、手のひらに体重をかけてのしていく。

7 生地の厚さが2センチメートル位になったら、打ち板に打ち粉をふるって乗せ、 生地の表面を平らにしてから、麺棒を使って薄く延ばしていく

8 直径30センチメートル程度になったら、麺棒に巻き付けながら延ばし、巻き替えることを繰り返し、四角に延ばしていく。これを5~6回行い、生地の厚みが均一になるよう整える。

9 厚さ2ミリメートル程度になったら、3つ折りに畳んで、2ミリメートル程度の細さに切る。

10 大きな鍋に、2L位のお湯を沸かし、大きめのザルを入れる。沸騰したら、9をザルの中に1~2人分ずつ入れ、30秒~1分ゆでた ら、冷水に取り、水洗いし、水を切ってザルに盛り付ける。

料理のポイント

  • 生地を延ばす際には、生地が乾いてしまうとひび割れてしまうので、 手早く行う。
  • そば打ちを初めて行う方は、そばの生地が乾燥しやすくこねるのが難しいので、従来の水の量(260ml)を5%増やし、285mlの水を2~4の工程で5回(80mlを3回、30ml、15ml)に分けて入れながら、こねていく。
  • そばをゆでる際は、大きめのザルを入れてその中で行うと、麵が浮いてきて絡まず、箸でかき混ぜる必要がなくなり、そばが切れにくい。
  • そばのゆで時間は、そばの硬さなどを見ながら判断する。ゆで時間は 30秒~1分としているが、季節により生地が乾燥したりするので、そばの歯ごたえを見ながら調整する。
  • 生そばは新鮮で、すぐに傷んだり、風味を失いやすいため、作ってすぐ食べるようにする。できない場合は、ラップに薄く広げて包んで冷凍する。
  • そばつゆを作る際、味がまろやかになるので2週間置くとしているが、難しい場合は、2~3日置くことでも良い。
  • そばつゆを作り、少し味が濃いと感じたら、だし汁を850ml、かえしを150mlにするとよい。

(令和3年認定)

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