こうばんと110番
交番(こうばん)と駐在所(ちゅうざいしょ)はどこが違(ちが)うのですか?
交番(こうばん)や駐在所(ちゅうざいしょ)は、地域住民(ちいきじゅうみん)の身近(みぢか)な所(ところ)にあり、そこにお巡(まわ)りさんが勤務(きんむ)して、みなさんの暮(く)らしの安全(あんぜん)を守(まも)る活動(かつどう)をする拠点(きょてん)となっています。
交番(こうばん)は、主(しゅ)として市街地(しがいち)に置(お)かれ、お巡(まわ)りさんが交替(こうたい)で警戒活動(けいかいかつどう)を行(おこな)っています。
駐在所(ちゅうざいしょ)は、原則(げんそく)として1人のお巡(まわ)りさんが家族(かぞく)とともに地域(ちいき)に居住(きょじゅう)し、地域(ちいき)の安全(あんぜん)を守(まも)る活動(かつどう)を行(おこな)っています。
岩手県内(いわてけんない)には令和(れいわ)5年4月1日現在(げんざい)、交番(こうばん)が43か所(しょ)、警備派出所(けいびはしゅつしょ)が1か所(しょ)、駐在所(ちゅうざいしょ)が153か所(しょ)あります。
交番制度(こうばんせいど)が生(う)まれた国(くに)はどこですか?
町(まち)の中(なか)に交番(こうばん)の建物(たてもの)を置(お)き、そこを中心(ちゅうしん)に制服(せいふく)の警察官(けいさつかん)が活動(かつどう)するという制度(せいど)は、明治(めいじ)7年に日本(にほん)(東京(とうきょう))で生(う)まれました。
当初(とうしょ)は建物(たてもの)はなく、街(まち)なかの交差点(こうさてん)などに警察署(けいさつしょ)から出向(でむ)いて街(まち)を守(まも)っていたのですが、雨(あめ)の日(ひ)や風(かぜ)の日(ひ)など大変(たいへん)だったので、明治(めいじ)14年から交番(こうばん)の建物(たてもの)が建(た)てられ、今(いま)のような制度(せいど)で活動(かつどう)することになりました。
現在(げんざい)では、交番制度(こうばんせいど)は、アメリカやシンガポールでも取(と)り入(い)れられており、地域住民(ちいきじゅうみん)の安全(あんぜん)を守(まも)るために日本警察(にほんけいさつ)が作(つく)った世界(せかい)に誇(ほこ)るシステムとして、日本警察(にほんけいさつ)の大(おお)きな特徴(とくちょう)となっています。
『交番(こうばん)』という名前(なまえ)の由来(ゆらい)は何(なん)ですか?
明治(めいじ)7年に東京警視庁(とうきょうけいしちょう)に「交番所(こうばんしょ)」が初(はじ)めて設(もう)けられましたが、当時(とうじ)は、警察官(けいさつかん)が警察署(けいさつしょ)から特定(とくてい)の場所(ばしょ)に出向(でむ)いて、交替(こうたい)で立番(りつばん)をする形(かたち)をとっていました。「交番所(こうばんしょ)」の名称(めいしょう)の由来(ゆらい)は、「交替(こうたい)で番(ばん)をする所(ところ)」ということからついたものと思(おも)われます。
この交番所(こうばんしょ)はその後(ご)、建物(たてもの)を建(た)てて、そこで仕事(しごと)をする現在(げんざい)の形(かたち)に変(か)わりました。明治(めいじ)21年10月に「派出所(はしゅつじょ)」、「駐在所(ちゅうざいしょ)」という名前(なまえ)で全国統一(ぜんこくとういつ)されましたが、警視庁創設当時(けいしちょうそうせつとうじ)の「交番所(こうばんしょ)」という名称(めいしょう)がそのまま「交番(こうばん)」という呼(よ)び名(な)で残(のこ)りました。
なお、「交番(こうばん)」という呼(よ)び名(な)が市民(しみん)の間(あいだ)に定着(ていちゃく)し、国際語(こくさいご)としてもそのまま通用(つうよう)するほどになっていることから、正式名称(せいしきめいしょう)も「派出所(はしゅつじょ)」から「交番(こうばん)」に改(あらた)められることになりました。
交番(こうばん)のお巡(まわ)りさんはどんな活動(かつどう)をしているのですか?
交番(こうばん)では、地域住民(ちいきじゅうみん)の暮(く)らしの安全(あんぜん)を守(まも)るために、お巡(まわ)りさんが管内(かんない)のパトロール、犯罪捜査(はんざいそうさ)や少年補導(しょうねんほどう)、交通取締(こうつうとりしま)り、巡回連絡(じゅんかいれんらく)(管内(かんない)の家庭(かてい)や事務所(じむしょ)などを訪問(ほうもん)する活動(かつどう))、迷子(まいご)やよっぱらいの保護(ほご)、道案内(みちあんない)や落(お)とし物(もの)の届(とど)け出(で)を受(う)けるなど、いろいろな活動(かつどう)を行(おこな)っています。
110番(ばん)はどんな仕組(しく)みになっていますか?
「ハイ110番(ばん)、警察(けいさつ)です。」
110番(ばん)は、泥(どろ)ぼうや交通事故(こうつうじこ)などの事件(じけん)・事故(じこ)があったときに、急(いそ)いで警察(けいさつ)に知(し)らせるときに使(つか)います。みなさんと警察(けいさつ)とを結(むす)ぶ大事(だいじ)なかけ橋(はし)として、安心感(あんしんかん)のよりどころとなっています。
みなさんからの110番(ばん)を警察本部(けいさつほんぶ)の通信指令課(つうしんしれいか)で受(う)けると同時(どうじ)に、事件(じけん)・事故(じこ)の現場(げんば)近(ちか)くにいるパトカーや最寄(もよ)りの交番(こうばん)などに無線(むせん)で連絡(れんらく)し、警察官(けいさつかん)を現場(げんば)に行(い)かせます。
なお、110番通報(ばんつうほう)を受理(じゅり)してから警察官(けいさつかん)が現場(げんば)に着(つ)くまでの時間(じかん)を「リスポンス・タイム」といいますが、岩手県(いわてけん)は平均(へいきん)8分(ふん)35秒(びょう)くらいとなっています。
110番(ばん)はいつごろできたのですか?
110番(ばん)は、昭和(しょうわ)23年10月1日に東京(とうきょう)、大阪(おおさか)、京都(きょうと)、名古屋(なごや)などの8つの主要都市(しゅようとし)でできました。しかし、当時(とうじ)の番号(ばんごう)は、東京(とうきょう)が「110」、大阪(おおさか)・京都(きょうと)が「1110」、名古屋(なごや)が「118」などと都市(とし)により番号(ばんごう)がまちまちでした。このため、利用者(りようしゃ)が警察(けいさつ)に知(し)らせるときに番号(ばんごう)を間違(まちが)えるなどの不都合(ふつごう)が生(しょう)じたため、全国(ぜんこく)どこでも同(おな)じ番号(ばんごう)に統一(とういつ)することにしました。
そこで番号(ばんごう)を決(き)めるときに、
- 「おぼえやすい」:
利用者(りようしゃ)におぼえやすい番号(ばんごう)にすること - 「かけやすい」:
緊急性(きんきゅうせい)を考(かんが)え、当時(とうじ)のダイヤル式電話(しきばんごう)のダイヤルを回(まわ)す距離(きょり)(ストッパーまでの距離(きょり))が一番短(いちばんみじか)い「1」を多(おお)くすること - 「まちがいにくい」:
誤(あやま)りを防(ふせ)ぐために、ダイヤルを回(まわ)す距離(きょり)が一番長(いちばんなが)い「0」を使(つか)うこと
を考(かんが)えて、昭和(しょうわ)29年に全国的(ぜんこくてき)に、現在(げんざい)の「110」番(ばん)に統一(とういつ)されました。
110番(ばん)のかけ方(かた)を教(おし)えてください。
岩手県内(いわてけんない)から110番(ばん)をかけると、盛岡市(もりおかし)にある警察本部(けいさつほんぶ)の通信指令課(つうしんしれいか)につながります。
110番(ばん)を受(う)ける警察官(けいさつかん)は、次(つぎ)のようなことを聞(き)きます。あわてず、落(お)ち着(つ)いて話(はな)してください。
- 何(なに)があったのか(事件(じけん)か事故(じこ)か)
- いつ
- どこで
- 犯人(はんにん)の特徴(とくちょう)(人相(にんそう)、服装(ふくそう)、逃(に)げた方向(ほうこう)など)
- 被害(ひがい)の状況(じょうきょう)(けがの程度(ていど)や、盗(ぬす)まれた物(もの)など)
- あなたの名前(なまえ)、住所(じゅうしょ)、電話番号(でんわばんごう)
警察(けいさつ)では、110番(ばん)を正(ただ)しく利用(りよう)してもらうため、毎年(まいとし)1月10日を「110番(ばん)の日(ひ)」と定(さだ)め、110番(ばん)の正(ただ)しい利用(りよう)などについてお知(し)らせしています。
110番(ばん)はどのくらいかかってくるのですか?
110番(ばん)は、殺人(さつじん)や強盗(ごうとう)などの凶悪的(きょうあくてき)なものから、家出人(いえでにん)やよっぱらいの保護(ほご)などにいたるまで幅広(はばひろ)く利用(りよう)されています。
1日平均(にちへいきん)で約(やく)150件(けん)の110番(ばん)がかかってきます。しかし、緊急(きんきゅう)でない相談電話(そうだんでんわ)やいたずら電話(でんわ)も数多(かずおお)くあります。事件(じけん)や事故(じこ)で110番(ばん)をしてもつながらなかったりして大変困(たいへんこま)ることがありますので、いたずら電話(でんわ)は絶対(ぜったい)にやめてください。
困(こま)りごとや悩(なや)みごとなどの相談(そうだん)は、近(ちか)くの警察署(けいさつしょ)や交番(こうばん)・駐在所(ちゅうざいしょ)または、短縮(たんしゅく)ダイヤル「#9110」に電話(でんわ)してください。
けんかをしてなぐられたときや、お金(かね)をなくして困(こま)っているときに110番(ばん)をしてもよいですか?
110番(ばん)は、事件(じけん)や事故(じこ)が発生(はっせい)したときに急(いそ)いで警察(けいさつ)に連絡(れんらく)をとるためのもので、泥(どろ)ぼうに入(はい)られたとか、交通事故(こうつうじこ)でけが人(にん)があるときなどに利用(りよう)するものです。
ですから、子(こ)どものけんかでけががないような場合(ばあい)には、学校(がっこう)の先生(せんせい)やお父(とう)さん・お母(かあ)さんに相談(そうだん)した方(ほう)がよいですし、お金(かね)を失(な)くしたときは交番(こうばん)に届(とど)けた方(ほう)がよいでしょう。
また、110番(ばん)は、人(ひと)の命(いのち)にかかわる大切(たいせつ)なことを伝(つた)えるためのものなので、事件(じけん)や事故(じこ)にあって本当(ほんとう)に110番(ばん)をかけようとする人(ひと)に迷惑(めいわく)をかけないよう、いたずら電話(でんわ)はやめましょう。
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