岩手県農業研究センター研究報告 第1号

ページ番号2004401  更新日 令和4年1月17日

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【報文】イネいもち病防除薬剤の河川における消長

築地邦晃・中南真理子・伊藤美穂

 1995~1997年に県内の1水系において、イネいもち病の防除に多く使用される薬剤4種類の残留実態を定期的に調査した。農薬濃度の測定はGC-MSにより行った。その結果、イソプロチオランは使用時期である7月中旬以降8月下旬頃まで検出され、他剤と比較して検出される頻度が高かった。プロベナゾールは使用の盛期である6月下旬にごく一部の河川で検出された。フサライド及びトリシクラゾールは主に航空防除の実施時期である8月上旬~中旬に検出された。
 イソプロチオランは水質汚濁に係る環境基準等、また、プロベナゾール、フサライド、トリシクラゾールは水質評価指針が設定されているが、全ての検出値がこれら水質基準値を下回っていた。プロベナゾール及びイソプロチオランの流出の主な原因は、薬剤散布時の水路等への飛散、降雨と水田の水管理の不徹底による溢水及び一部のかけ流しによると推察された。

【報文】食餌性条件反射を活用した黒毛和種繁殖牛の親子放牧技術

村上勝郎・増田隆晴・佐藤彰芳・畠山公子・佐々木祐一郎・渡辺 亨・谷地 仁・菊池 雄

 黒毛和種の放牧は人工授精のための看視労力の負担が大きいことや、子牛の発育が舎飼に比較して劣ることなどが、放牧促進を阻害している1つの要因である。そこで、音による食餌性条件反応を利用して放牧牛を給餌場に誘導し、子牛に補助飼料を給与する黒毛和種親子放牧技術の開発と、さらに遠野市貞任牧野における現地実証を実施した。
 所内における試験では、食餌性条件反応に適した条件音は、車のクラクション、真鍮製の鐘であり、誘導する最適な時間帯は、放牧牛の採食時間及び看視作業時間を考慮すると9時から10時頃であった。放牧牛の誘導頭数率は初年目から96.9%と高く、3ヶ年の平均では91.6%であった。放牧牛1頭当たりの看視労力は、看視で24%軽減され、発情牛の捕獲・保定労力で最大78%軽減された。子牛の日増体量は対照区で0.64kg、試験区では0.81kgであった。子牛専用草地の適草種は、栄養価、嗜好性が高いペレニアルライグラスであったが、草地維持管理に課題を残した。
 貞任牧野における現地実証では、音を的確に遠くまで伝達できた牧区は、なだらかな下り斜面もしくは上り斜面の立地の牧区であった。誘導頭数率は初年目で概ね80%、音響に対する経験牛がいることから学習期間を設けなかった2年目では概ね70%であった。看視労力は20%、発情牛の捕獲・保定労力は70%以上軽減された。子牛の発育は日増体量で0.74kgであった。

【報文】FRP製ミニサイロを利用したミルキングパーラー排水用低コスト浄化施設

小梨 茂・谷藤隆志・川村輝雄・高橋達典・杉若輝夫

 低コストで十分な処理能力を持ったミルキングパーラー排水用浄化施設を開発する目的で、FRP製ミニサイロを利用した簡易浄化槽を試作し、約2年間、その処理能力を調査した。簡易浄化槽は7基のFRP製ミニサイロ(容量2.6m3)を連結させて作成した。最初の槽は貯留槽で、続いて曝気槽、沈殿槽及び4つの接触曝気槽からなっており、活性汚泥法と生物膜法を組合せた処理を行った。低コスト化を図るために、生物膜法の濾材には廃プラスチックのリサイクル資材である未精製発泡スチロールペレットを用いた。
 この簡易浄化槽にミルキングパーラー排水(平均性状:BOD 1,833mg/l、COD 570mg/l、SS 597mg/l、ヘキサン抽出物223mg/l、全窒素69mg/l、全リン16mg/l)を1日当たり1m^3程度流入させる条件下で性能調査を行った結果、SS、BOD、COD及びヘキサン抽出物の除去率は95~99%で、水質汚濁防止法の排水基準を大幅に下回る濃度にまで浄化された。窒素及びリンについては、処理水中の濃度が水質汚濁防止法の排水基準以下であったものの、除去率がそれぞれ平均で72.5%及び44.0%と低かった。
 設置費は自家施工で91万円、工事費込みで129万円と見積もられ、市販の浄化施設に比べて格安に設置できる。ランニングコストは曝気用のブロアーの電気代として1ヶ月当たり13,500円程度掛かるものと試算された。

【報文】酒造好適米新品種「吟ぎんが」の育成

小田中浩哉・扇 良明・菅原浩視・佐藤 喬・高橋正樹・木内 豊・中村英明・照井儀明・中野央子・中西商量

 「吟ぎんが」は、旧岩手県立農業試験場県南分場(現:岩手県農業研究センター農産部銘柄米開発研究室)において、中生の耐倒伏性に優れた酒造好適米品種を育種目標に、1991年、「山形酒49号」を母に、「秋田酒49号」を父として交配した組合せの後代より育成選抜した品種である。奨励品種決定調査、酒造適性試験などにおいて、酒造好適米として有望と判断され、1999年に岩手県の奨励品種に採用された。
 「吟ぎんが」は、熟期は「美山錦」並からやや遅く、長稈で草型は穂重型である。障害型耐冷性、耐倒伏性は「美山錦」に比べ強く、「美山錦」に比べ大粒で心白発現が良好である。また、「美山錦」に比べ、70%精白米の20分吸水率が高く、粗タンパク質含有率が低い等酒造適性に優れている。
 「吟ぎんが」の栽培適応地帯は主に岩手県内の北上川中流地帯であり、酒造好適米として200ヘクタール程度の栽培が見込まれる。

【要報】受託方式による大規模小麦集団転作の継続条件

中村勝則

 受託方式による大規模小麦集団転作では、転作田所有者と転作受託者双方がメリットを享受できる収入配分とすることが成立の条件となる。すなわち、転作田所有者については、転作を個別消化するよりも高い水準の転作地代を受け取ることであり、転作受託者については、生産調整助成金を転作地代として機能させ、かつ自己の経営努力によって土地純収益を増大できることである。その収入配分を実現する転作地代の水準は水田小作料+αであり、土地利用調整のあり方が関わりを持っている。
 土地利用調整のあり方に関して事例から示唆されるのは以下の2点である。
 第一に、水稲作業受委託による農用地利用集積が進んでいる地域では、すでに担い手農家に作業委託している農家の水田を転作田として連担させることで転作田の団地化を図ることが有効であること。
 第二に、ブロックローテーションを採用する場合、

 

  1. 転作ブロックだけを設定するのではなく、地域全体をいくつかのブロックに分け、予め一巡分のブロックを作っておく。
  2. 所有水田の全てが同一ブロックに含まれてしまう農家を可能な限り少なくする。
  3. 同一水田での転作期間を短くする。つまりブロックの回転を早くする等の配慮が必要であること。

 次に、転作受託者が小麦作経営を継続していくための方向性であるが、高単収の実現が容易ではなく、収量変動が激しい条件の下では、労働生産性を重視した低投入型の小麦作経営が有効であることが示唆された。このため、共同作業による効率化の他に、作業の省略化・簡素化等、規模に応じた作業体系の採用が求められる。また、転作田の畦畔管理等については転作田所有者の協力を得るといった対策も有効であろう。
 最後に、今回は小麦作経営のみについて検討したが、多くの場合、転作受託者は稲作の担い手でもある。そこで生じるのは、稲刈りと小麦播種の適期競合である。すなわち、小麦播種は稲刈り終了後に行われるのが一般的であるが、悪天候が続く等で稲刈りが遅れると、小麦播種になかなか着手できなくなる。こうなると、小麦の播種晩限を過ぎるという事態に陥り、初期生育量を確保できずに収量が大幅に低下してしまう。この問題を回避するには、地域の水稲品種を中生に切りかえる、あるいは稲刈りに入る前に転作田での小麦播種を実施するといった耕種的対応が求められる。

【要報】遠野地方における黒毛和種放牧子牛の価格形成要因分析

及川浩一

 黒毛和種放牧子牛の市場評価が本当に低いのかを検証すること及び黒毛和種放牧子牛の市場評価向上の条件を明らかにするため、放牧子牛と舎飼子牛における市場価格形成要因を父牛と母牛の系統を加味しながら統計的に分析した。
 岩手県遠野市産の黒毛和種子牛で、1996年11月から1999年7月までに市場出荷された雌1,986頭、去勢2,692頭を分析対象とした。分析方法は線形型重回帰モデルによる回帰分析を行った。
 その結果、子牛の市場価格形成要因は出荷体重及び日齢体重という発育性の要因が大きなウェイトを占めており、放牧子牛と舎飼子牛と比較してもその重要性は変わらないこと、放牧子牛では系統要因のウェイトも年々高まっていること、特に雌において放牧の要因は価格形成に影響は与えないことが明らかとなった。また、黒毛和種放牧子牛の市場評価向上の条件として、系統で違う母牛の泌乳能力や子牛の発育性に対応した放牧場における育成管理方式を確立する必要があると考えられる。

【要報】切り花りんどうの需要動向分析

菅原豊司

  • 現在、県内各産地で取り組まれている作期の前進にあたっては、7月第2半旬を狙った出荷でなければならないと考えられる。
  • 量販店等による物日直前仕入れが増え、盆の最中である8月3半旬の需要こそ高まっているものの、8月1・2半旬の需要は停滞気味となっているなど需要期間の狭まっていることから、これまで以上に精度の高い開花調整及び出荷調整が欠かせない。
  • 9月第6半旬、10月第1半旬、第3半旬は需要の拡大傾向が伺われるが、市場規模はもともと小さい時期で数量の増減による価格の乱高下が大きいことから、生産量の拡大は市場規模を見極め、慎重に行う必要がある。
  • 販売額が極大になる数量まで卸売数量が達しておらず出荷量に余裕があるのは、7月第2半旬、第3半旬、8月第2半旬、9月第3半旬となっている。したがってこれらの時期が出荷量を増やす標的期間となる。
  • 反対に、入荷量が販売額極大となる卸売数量を超え、販売額が減少傾向にある時期は、7月第1半旬、第4半旬から8月第1半旬、8月第3半旬、第4半旬、9月第2半旬、第4半旬から10月第2半旬などとなっている。
  • これらの時期は他の市場への分荷や出荷時期の調整・分散等により、販売額極大時卸売数量まで減少させることが求められるほか、この時期に重点を置いた消費拡大方策が必要と思われる。
  • 技術体系別に生産農家の物財費、労働費を含めて確保できる単価で販売金額極大数量を計測すると、物財費が確保され、出荷数量に余裕がある半旬は、7月第2半旬、第3半旬、8月第2半旬、9月第3半旬となる。
  • 労働費まで確保できる単価を実現できる販売額極大数量と実際の卸売数量を比較すると、全期間を通じて実際の卸売数量の方が超過しており、労働費を確保するために作業の省力化によるコスト低減が必要である。

【要報】消費者のリンゴ購買行動を規定する選択項目とその基準の調査結果 第1報 盛岡市内の消費者がリンゴを購入する視点

菅原豊司・星野圭樹

  1. 盛岡市内のリンゴ購入客は、3分の2以上は2週に1回はリンゴを自家消費用に購入しているが、20~30代の若い世代は頻度、食べる量とも他の年代に比べ少ない。したがって、消費拡大のターゲットは潜在量が大きい若い世代と思われる。
  2. 食味要素については、年齢が高くなるほど甘さを求め、若い世代は歯ごたえを重視する傾向が見られたが、購入頻度、消費量の少ない若い世代の求める歯ごたえ感が確保されているか、検討する必要がある。
  3. みつ入りリンゴを若い世代に向けてPRする際には、「甘い」、「完熟」イメージよりも、「みずみずしさ」などの歯ごたえ感に訴えるイメージを強調する。
  4. 購入にあたって重視する項目は、食味、価格、品種名、産地、みつ入り程度、着色程度(外観)の順となり、店頭で購入する際に組み合わせて提示される要素と推察される。

【要報】バイパス油脂給与が黒毛和種去勢牛の産肉性に及ぼす影響

太田原健二・西田 清・藤原哲雄・小野寺 勉

 黒毛和種去勢牛に対するバイパス油脂(脂肪酸カルシウム)の給与は、枝肉重量の増加、或いは脂肪交雑を改善する目的で使用する例が散見されるが、その効果の有無については明らかにされていない。そこで、エネルギー摂取量が停滞・減少する肥育末期に給与し、産肉性に及ぼす影響を検討した。

  1. バイパス油脂給与を最も早く開始した試験区に合わせて、試験終了前6ヶ月間の増体量を比較した結果、1日当たりの給与量が300グラムの給与区では対照区と同等の増体量を示し、600グラム給与区では対照区よりも増体が悪い傾向を示した。その給与効果は判然としなかった。
  2. 1キログラム増体に要したTDN量は、試験区1、試験区2がそれぞれ試験区4、対照区と比較して有意に(p<0.05)低かった。また、最も効率よくエネルギー摂取が行われたのは試験区1であり、バイパス油脂の給与量は300グラムが適当と考えられた。
  3. バイパス油脂給与によって向上が期待された脂肪交雑基準値(BMS)は、試験区1で1.3±0.8、試験区2で1.3±0.3、試験区3で1.4±0.4、試験区4で1.2±0.5、および対照区で1.7±1.2であり、何れも有意な差ではなかった。対照区が優れる傾向がみられたが個体差が大きくその結果は判然としなかった。また、その他の調査項目においても、試験区と対照区の間に有意な差は認められなかった。バイパス油脂を給与することにより、枝肉成績の向上は認められなかった。
  4. 特にC16-1とC18-2が試験区において高まる傾向がみられ、そのことにより全体の不飽和脂肪酸割合も高まる傾向がみられた。これはバイパス油脂給与によるものと考えられ、最も増加割合が高かったのは試験区1であった。このことより、不飽和脂肪酸割合を高めるには肥育終了前3ヶ月間に1日当たり300グラムのバイパス油脂を給与するのが適当と考えられた。

 以上のことから、黒毛和種去勢牛の肥育において、肥育末期にバイパス油脂を給与することは、増体および肉質に大きな効果は認められなかった。しかし、食味等の向上を期待し不飽和脂肪酸割合を高めるためには、出荷前3ヶ月間に1日に300グラムの給与が適当であると考えられる。

【要報】ランドレース種とデュロック種交雑家系における経済形質とDNAマーカーとの関連

鈴木暁之・藤原哲雄・田中修一・小野寺 勉・菅原東一・美川 智・楠本宏司・和田康彦・小林栄治・峰澤 満・安江 博

 農水省畜試の委託研究「DNAマーカーを用いた新育種技術の開発」において、豚の経済形質と関連するDNAマーカーの検索を目的として1994年より共同研究を行った。当所で作出したランドレース種とデュロック種による実験家系において、DNAマーカーと測定形質との連鎖解析を行った結果、枝肉の赤肉割合等いくつかの形質についてQTL候補を検出した。

【要報】岩手県北地域におけるグラウンドカバープランツの有望品目とその特性

佐藤正昭・高橋寿一・児玉勝雄

 近年、水田や畑地の大区画圃場整備が進むにつれて、法面の高低差が大きくなり、その維持管理が重要な課題となってきている。
 グラウンドカバープランツは、法面・傾斜面を早期に被覆することにより表土の流失防止や雑草発生の抑制が期待されるほか、景観形成にも有効と考えられる。しかしながら、他種類にわたるグラウンドカバープランツについて、地域への適応性や栽培上の特性等が明らかとされていない。
 そこで、畑地畦畔・法面において、県北地域の気象条件に適合し、早期被覆効果が期待でき、さらに景観形成能力の高いグラウンドカバープランツの選定を行うとともに、それらの適正植栽密度と苗経費について検討した。
 1996年から1998年までの3年にわたり延べ56品目・品種を供試し、定植2年目の生存率、根域の拡大度、法面被覆率等で評価したところ、ポテンチラ等12品目・品種が地域適応性並びに早期被覆能力に優れるものと判断された。さらに、12品目・品種の被覆率等から適正植栽密度及びその際の苗経費を表した。

【要報】ほ場整備地区における外部経済効果の発現状況

村上和史

 UR合意に対応できる農業基盤の構築のため、各地でほ場整備が進められている。しかし、多額な公共投資に見合う効果があるか疑問視する声もあがってきている。ほ場整備事業は農業生産性向上を目的として進められているが、その他にも営農再編促進効果や地域の活性化、農村環境の向上等の効果があるといわれている。そこで、このような社会福祉的効果ないし社会環境効果など「外部経済効果」を特定し、その効果を適切に評価することにより、広く県民に事業に対する理解を求める必要がある。本稿は、ほ場整備事業の測定手法の解明に向けて、「外部経済効果」に着目し、ほ場整備地区における効果の発現状況の把握に努め、検討を行った。
 まず、外部経済効果に関する評価項目を既往の文献から抽出し、ほ場整備地区に該当するものを11項目に絞った。この評価項目について、ほ場整備地区O地区と、S地区にて面接調査を行い、外部経済効果の発現状況を確認した。外部経済効果については、事業計画時に生活環境面での地域のイメージや施設等の利用方針が不明確なまま整備すると効果の発現が少なかった。更に施工後は受益者間の合意の元に維持管理を図らないと効果が維持しないことが明らかとなった。
 一方、本県の事業実施地区の受益者代表43件にアンケートをとったところ、これまで事業計画は、農業の生産性向上にとらわれ、生活環境面については軽視しがちであることが確認された。事業が進行するに従い受益者の希望は、やすらぎや環境保全などのアメニティの保全の優先順位が高くなることを考慮すると、事業計画において、その地区の長期的ビジョンを明確にした上で、生活圏としての農村の整備を加味しながら事業を進めることが必要であろう。

【資料】岩手県農業研究センター農業気象観測資料(1967~1996年:北上市成田における気象観測値)

池田(平賀)昌晃・諏訪正義・武田眞一

  1. 平年値
     作成した平年値のうち最も使用頻度の高い暦日半旬別平滑平年値では、気温が最も高かったのは8月第1半旬で29.1℃、最も低かったのは1月第6半旬、2月第1半旬及び2月第2半旬の-6.5℃であった。雨量は8月第6半旬に最も多く33mm(1半旬の積算降水量)、年間で1153.8mmの降水が見られた。また、年間日照時間は2067.3時間で、可照時間の約46.4%であった。
  2. 極値・順位
     1967~1996年における日最高気温は1994年8月9日の37.3℃、日最低気温は1984年2月18日の-20.2℃であった。日最大降水量は1998年8月29日の169.0mmであった。
  3. 雨天出現率
     日降水量が1mm以上の日の天候を雨天として1967~1996年における雨天の出現率を求めると、年間の最大値が7月11日の63%、最小値が1月2日及び2月12日の10%であった。暖候期では雨天出現率が最も小さい日は13%の5月10日、5月28日及び8月25日であった。
  4. 暖候期の気象変動
     気温の年変動は観測当初から1975年まで平年差が正であったが、1976年を境に1980年後半にかけて負の低温傾向に転じた。1990年以降になってからは年変動が大きいものの、最低気温が高い傾向であった。降水量と日照時間は年変動が大きく、明らかな傾向は認められなかった。
  5. 盛岡と北上市成田の月別平年値
     盛岡市の気象官署と北上市成田(区間差は約37km、方位は7.68°、標高差は約94メートル)の月別気温の平年値を比較すると、最高気温や平均気温は北上市の方が年間を通じて高いが、冬季の最低気温は盛岡市の方が高い傾向にあった。また、降水量は盛岡市の方が年間を通じて多い傾向にあった。

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このページに関するお問い合わせ

岩手県農業研究センター 企画管理部 研究企画室
〒024-0003 岩手県北上市成田20-1
電話番号:0197-68-4402 ファクス番号:0197-68-2361
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