農作物技術情報 第7号 水稲(令和3年9月30日発行)
- 県内の水稲は刈取り適期を過ぎつつあります。 良質米確保のため、農作業安全に留意しつつ、速やかに刈取り作業を進めましょう。
- 倒伏圃場では、コンバイン等の作業速度をできるだけ遅くします。 周囲と比べて品質が劣ることが見込まれる場合は刈分けにより品質確保に努めましょう。
- 日没が早まる時期なので、作業は計画的に進め、安全な農作業を心掛けましょう。
1 適期刈取りの励行
(1)本年の成熟期は県全体で9月13 日頃と、平年に比べ5日程度早まっています。また本年は稈長がかなり長く、県南部では倒伏している圃場も散見されます(表)。
(2)刈取り適期は「黄化籾割合80~90%」です(図)。刈遅れは胴割れ粒や乳白粒、茶米等の混入による品質低下につながります。農作業安全に留意しつつ、速やかに刈取り作業を進めます。
(3)倒伏した圃場では、コンバイン等の作業速度を遅くし、丁寧に刈取ります。水口付近などの周囲と比べて登熟が遅れている部分や倒伏している部分は、品質確保のため、刈り分けに努めてください。
(4)台風接近前は農作業安全に留意しつつ、可能な限り刈取りを終えるとともに、通過後は速やかに作業開始できるよう、排水対策を徹底します。なお、技術対策の詳細については9月15 日発行の「号外 台風対策」を参照してください。
2 乾燥・調製の留意点
(1)胴割れ粒の発生防止
- 火力乾燥においては、1時間あたりの水分減少率(毎時乾減率)を0.8%以下とします。
⇒ 乾燥速度を上げすぎると胴割れ粒が発生するため、急激な乾燥・過乾燥に注意します。
- 4%以上の水分差がある籾を一緒に張り込むことは避けます。
⇒ 籾水分18%の時に一旦乾燥機を止めて放冷・循環常温通風し、その後仕上げ乾燥して
籾水分の均質化を図ります(二段乾燥)。
- 自然乾燥(ハセ・棒がけ)は2週間以内を目安とし、時々掛け替えして乾燥を促します。
(2)籾すり時の肌ずれ、脱ぷの防止
- 肌ずれを防止するため、玄米水分15.0%以下の適正水分で籾すりを行います。
- ゴムロールのすき間は、籾の厚さの約1/2(0.5~1.2mm)が標準です。
- 脱ぷ率は条件により変化するので、85%程度になるようロール間隔を調整します。
(3)ライスグレーダー
出荷製品用は、LL(1.9mm)の篩い目使用を基本とし、整粒歩合80%以上を目指します。
3 農作業安全
日没が早まる時期ですので、計画的に作業をすすめ、農作業安全を心掛けてください。
(1)圃場での移動、運搬の際の転倒事故や追突事故には十分注意します。
(2)コンバインにワラ等が詰まった際は、必ずエンジンを止めてから作業を行います。
(3)夕方に事故の発生が多いので、焦らず、慎重な作業を心がけてください。
(4)反射材や低速車マークを取り付け、路上走行中の追突事故を防止してください。
添付ファイル
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このページに関するお問い合わせ
農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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