農作物技術情報 第1号 畜産(令和3年3月18日発行)

ページ番号2003480  更新日 令和3年3月18日

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  • 牧草の萌芽、生育が始まっている地域があります。1番草の収量を確保するために、早めの追肥作業を行いましょう。
  • ムギダニ被害の発見に努め、早期防除に努めましょう。

 

牧草

(1)早春に施肥をする重要性
 イネ科牧草は、生育期間中で1番草の時期に最も旺盛に成長し(スプリングフラッシュ)、生産量が最も多い 時期です。年間収量でみると1番草は年間収量の4~5割を占めます(図1)。
 スプリングフラッシュは、牧草の出穂という生殖成長によるもので、越冬したイネ科牧草の茎は出穂のための条件が整っていて、栄養分が十分にある場合は、この現象を起こします。出穂するかどうかは、肥料成分、特に窒素で決まります。
 春早くから窒素を十分に吸収していれば、順調に出穂すると考えられます。出穂茎は、穂を支えるために茎が丈夫に育つので、穂のない茎よりも重さが6~7倍になると言われています。

(2)早春施肥

 牧草は平均気温5度から生育を開始します。今冬は県南部を中心に積雪が多かったのですが、一気に消雪が進み萌芽(緑化の始まり)が始まっている地域があります。イネ科牧草の刈取り適期は出穂期前後ぐらいとされますが、出穂期は萌芽期からの気温と日照時間で決まります。施肥時期を遅らせても出穂期を遅らせる効果は期待できません。

 したがって、草地を見回り萌芽を確認し、圃場にトラクタが入れるようになったら、ただちに施肥を行うことが重要です。春の施肥遅れは、遅れた分だけ牧草の生長が妨げられることから、一番草の減収に直結します。

 早春の施肥は、速効性のある化学肥料を中心に行います。また、この時期の堆肥やスラリーの大量散布は、収穫までに分解が十分に進まず集草時に混入しやすいこと、さらに牧草中のカリやタンパク含量が高まることで、グラスサイレージの発酵品質低下を招きやすいので避けましょう。

 維持管理草地の施肥目安は、表1のとおりです。

 

図1

表1

(3)牧草地におけるムギダニの早期発見と防除

 ムギダニは、気温が5~8℃で活発なるとされ、春、秋に被害を受けやすく、特に4月上旬~5月の春の被害が大きくなります。被害にあった牧草は、葉汁を吸われることにより葉が次第に黄変し、多発した場合は枯死に至るので、早期発見と防除に努めます。

 ムギダニの発生が著しい場合は、スミチオン乳剤の1,000倍液を散布し防除します。また、ムギダニの活動が活発な、曇天の日や夕方に散布すると効果が高くなります。

 なお、散布後2週間は採草、放牧を避けてください。

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