農作物技術情報 第1号 果樹(令和3年3月18日発行)

ページ番号2003479  更新日 令和3年3月18日

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ヘッダー

◆花芽は概ね平年並み! 摘花による着果負担の軽減を!!

◆気温が高く推移すると生育は早まる予想!! 凍霜害など気象災害発生のリスクも高まるので、今後の気象情報には注意し、管理作業や災害対策が遅れないように注意!!

りんご

1 花芽の状況

(1)令和3年産りんごの花芽率の県平均を平年と比較すると、「ジョナゴールド」及び「ふじ」は高く、「つがる」は平年並み(表1)、弱小花芽率はいずれの品種もやや低め(表省略)となっています。

(2)また、前年(令和2年産)の花芽率と比較すると、「つがる」及び「ジョナゴールド」はやや低く、「ふじ」は同程度(表1)、弱小花芽はやや低めとなっています。

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(4)花芽調査の結果から、今年の結実率が平年並みを確保できれば、平年並み以上の作柄は期待できると推察されます。

   なお、せん定にあたっては、それぞれの花芽の状況を観察し、管理作業の効率化、受光体制の改善、農薬の到達性などに留意しながら実施してください。

 

2 発芽予測

(1) 今冬は1月までは低温と記録的な降雪が続いていましたが、2月以降は気温が高く推移しています。発芽が早かった昨年や平成27年の気温ほどではありませんが、今年も気温は高い傾向にあります(図1)。

   このまま気温が高めで推移すると、りんごの発芽は早まることが予想され、特に沿岸と県南部は昨年並みに早まることが予測されます(表2)。

図1

(2)3月1日時点の「ふじ」の発芽予測では(表2)、予測日以降の気温が平年並で推移した場合、県平均で平年の発芽日と同じ4月7日に発芽すると予測されています。

(3)ただし、3月11日仙台管区気象台発表の1カ月予報では、向こう1カ月の平均気温は高いと予報されています。よって、表2の「2.0℃高い」予測結果で経過する可能性が高いと考えられ、その場合は平年より6日以上早まる可能性があります。

(4)今後も気象予報には十分に注意し、発芽が早まる可能性が高いことを念頭におきながら、管理作業や防除、気象災害対策が遅れないように注意します。

 

表2

3 作業の留意点

(1)整枝せん定
 発芽時期や防除開始時期が早まること予想されますので、整枝せん定作業や片付けは早めに終了させ、今後の作業遅れが生じないようにします。

   なお、県南部で昨年12月からの大雪により側枝や結果枝の折損等が見られています。裂開や折損した部位はできるだけ滑らかに削り、保護剤を塗布してください。

(2)凍霜害防止対策
 りんごの花器は、開花期に近づくにつれ、低温耐性が下がってきます(図2)。今年はこのまま気温が高く推移すると生育が早まる可能性があるため、例年以上に凍霜害発生の危険性が高いと考えられます。

   被害軽減のため、燃焼資材の準備、防霜ファンや防霜対策用スプリンクラーの準備・点検など対策の準備を進めます。また、凍霜害の事後対策としては、人工授粉による結実確保が重要なので、花粉の準備・確保も合わせて進めてください。

図2

4 病害虫防除

(1)生育が早まっているので、休眠期や発芽期の防除タイミングを逃さないよう、生育状況をよく確認するとともに、薬剤や用水の確保を進めます。

(2)病害虫の早期発生も懸念されるため、それぞれの園地の発生状況や、病害虫防除所が発表する発生予察情報等を参考に、適時適切な防除に努めます。

(3)昨年、県内では黒星病が広く発生しており、その被害を防ぐためには、春先の防除対策が最も重要です。具体的な防除対策は、令和3年3月5日発行の令和3年農作物病害虫発生予察情報第1号を参考としてください。

 また、黒星病対策として、改植等で苗木を定植する際は、菌が苗木先端の頂芽にりん片越冬している可能性があるため、定植後は必ず頂部先端を切り返します。そして、苗木および未結果樹についても、成木と同様に春先から薬剤防除を徹底してください。

 

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