農作物技術情報 号外 融雪促進対策(令和3年2月10日発行)

ページ番号2001982  更新日 令和3年2月10日

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見出し

昨年末からの大雪と低温により、県内は積雪が多い状態となっています。融雪の遅れによる農作業への支障等が懸念されますので、春作業のスタートに影響が及ばないよう、積極的に融雪作業に取り組みましょう。

融雪促進対策 雪割を行って融雪剤を散布しましょう!

1 融雪対策

(1) 除雪

ア 除雪機等の利用により、圃場外に排雪する。

イ 除雪する際は周辺の圃場や交通等への影響がないよう留意する。

ウ 雪が堆積したり、固まったりしている場所では除雪機や重機等による除雪と雪割を積極的に行う。雪割によって空気に触れる雪の表面積が増加し、融雪が進みやすくなる。

エ 機械作業を行う場合には、施設や作業者・通行人の安全に十分配慮する。

注)雪割:重機やスコップなどで雪に切れ目をいれてブロック状にし、表面積を大きくする作業。

(2) 融雪資材の散布

ア 融雪資材の種類と使用量の目安

散布対象 資材名 散布量(10a あたり)
水稲育苗ハウス周辺 畑土(火山灰土等) 40~50kg
炭(粉、微粒)、炭化鶏糞 40~80 リットル
もみがらくん炭 10~15kg(100 リットル)

注:水稲育苗ハウス内の融雪は床土と同じ土壌で実施する。

散布対象 資材名 散布量(10a あたり)
園芸ハウス及び周辺、圃場 畑土(火山灰土等) 40~50kg
炭(粉、微粒)、炭化鶏糞 40~80 リットル
もみがらくん炭 10~15kg(100 リットル)
てんろ石灰 40~60kg
ようりん 40~60kg

注:塩類集積土壌では、てんろ石灰やようりんの使用は避ける。

イ 散布時の留意点

 (ア)散布時期

  • 1か月予報(令和3年2月4日仙台管区気象台発表)では、向こう1 か月は寒気の影響を受けにくく、気温は高い見込みとなっている。融雪剤は最高気温が0℃を越える日が続き、10cm 以上の新雪が降り積もる見込みがなくなったら、なるべく早く散布する。
  • 降雪が続いているときは、 資材を散布した層が堅雪になる恐れがあることから散布を見合わせる。
  • 散布後の積雪が多く、10cm 以上積雪したような場合は 2 回目の散布も検討する。

(イ)散布量

   過剰に散布しても効果は変わらないので、 適量を散布する。

(ウ)散布方法

  • すじ状に散布し、凸凹を作ると融雪効果が高い。
  • 雪が深くても堅雪で歩行に支障がなければ背負式動力散布機での散布が可能。
  • 吹きだまりや日陰など、融雪が遅れそうなところを重点的に散布する。
  • 足場が不安定なので、作業に当たっては安全に十分配慮する。
  • 無人ヘリでの散布は大面積での作業に適しており、ドローンでの作業も可能である。

(エ)排水対策

   融雪水が速やかに排水されるよう排水溝を整備する。

(オ)効果

   融雪資材の散布により、 雪解けが5~10 日早まることが期待される。

2 野ねずみによる被害の防止

野ねずみは、春の繁殖期にむけて摂食活動が活発になる時期を迎えるが、融雪が遅れると果樹の樹皮や根、施設内の作物を暴食する危険があるので、融雪を促進するとともに殺そ剤を処理するなど、野ねずみの被害対策も実施する。なお、殺そ剤の使用に関しては事故のないよう十分に注意する。

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このページに関するお問い合わせ

農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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