農作物技術情報 第5号(平成27年7月30日発行)
水稲
生育状況:県全体の幼穂形成期は平年並であり、出穂期は平年より1日早い8月3日頃と見込まれる。いもち病の発生は平年並。カスミカメムシ類の発生は多く、斑点米の多発に注意が必要。
技術対策:出穂状況等、生育状況や気象変動に応じた栽培管理と病害虫の適期防除を心掛ける。
- 出穂後は、高温時でも良好な登熟が行われるよう、適切な水管理を行う。
- 斑点米カメムシ類の防除は、出穂時期に注意して適期(穂揃い7日後)に行う。
- 穂いもち防除は、葉いもち防除の徹底と出穂直前・穂揃期の茎葉散布が重要。
畑作物
生育状況:【大豆】7月上旬〜中旬にかけ少雨のため乾燥が目立ったが7月下旬の雨で生育は回復傾向。
大豆:排水対策の確認、病害虫防除、雑草防除を適正に実施する。乾燥時は畦間潅水の実施を検討する。
小麦:次年度の作付けに向け、早めの圃場準備を。土壌改良資材の投入や根張りの改善を心がける。
野菜
生育状況:施設果菜類の生育は概ね順調だが、着果負担による草勢低下や高温の影響による障害果が散見される。露地果菜類ではきゅうりの中段からの側枝発生がやや鈍い。雨よけほうれんそう、露地葉菜類ともに高温・干ばつの影響による高温障害や生育停滞が見られる。また、アブラムシ類等の害虫が多く発生している。
全般: 7月上旬から少雨高温傾向であることから、天候と生育に応じた高温対策や潅水管理を行う。
技術対策
雨よけトマト、雨よけピーマン:整枝、摘葉、誘引を遅れずに実施。高温対策として遮光資材の利用や換気、通路散水等を積極的に行う。収穫量、気象条件などを考慮して追肥を行い、草勢の維持、回復を図る。オオタバコガやタバコガの防除を徹底する。
露地きゅうり:不良果を早めに摘果し着果負担を減らし、追肥と潅水によって草勢の維持を図る。病害虫防除は褐斑病、炭そ病、べと病を重点に行う。しおれが見られる場合は原因究明をしっかり行う。
雨よけほうれんそう:ハウスの温度・湿度管理や圃場水分、生育中潅水等を適切に行い、高温や過湿、圃場の乾燥等による病害虫の発生や生育不良を防ぐ。アブラムシ類やアザミウマ類等害虫の防除対策を徹底する。
露地葉菜類:オオタバコガやヨトウガ等害虫の適期防除を行う。腐敗性病害等の対策を徹底する。
花き
生育状況:りんどう、小ぎくともに概ね平年より生育は進んでいる。
りんどう:リンドウホソハマキ、ハダニ類、アザミウマ類、オオタバコガ、黒斑病などの病害虫の適期防除に努める。
小ぎく:白さび病、オオタバコガ、アザミウマ類など病害虫防除を徹底する。親株候補の選抜に向けて準備する。
果樹
生育状況:りんごの果実生育は平年比110%と、順調な果実肥大となっている。ぶどうは概ね平年並の結実であり、房、粒の大きさともに平年並となっている。
りんご:サビ果、変形果がみえるため、見直し摘果を励行し、適正着果に努める。
ぶどう:品質向上のため、適切な着果管理を行う。収穫が例年より早まることが予想されるため、準備を行う。
畜産
牧草:除草剤の播種日同日処理の播種床形成の時期。耕起・砕土・整地は丁寧に行う。
飼料用トウモロコシ:クマ食害防止電気柵のポリワイヤーの緊張は専用緊張具を使用する。
電気柵のアースがきちんと効いているかを確認する。
暑熱対策(牛):暑熱ストレスによるアシドーシスを防止する。
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農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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