農作物技術情報 号外 果樹凍霜害対策(平成27年4月13日発行)

ページ番号2001879  更新日 平成27年4月13日

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  • 現在、県内のりんごの生育ステージは展葉期前後となっており、蕾が見えてきた園地も見られます。場所によっては、平年より2週間ほど生育が進んでいます。
  • 4月8〜9日の低温により、県内各地のりんご、おうとう等で凍霜害を受けています。被害を免れた花が確実に結実するよう、人工授粉などの対策を行いましょう。

りんご

1 生育概況

定点観測地点の調査結果(表1)によると、ほぼ県内全域で展葉しています。発芽までの高温に加え、4月始めも気温が高く、降雨もあったことから平年と比べ10日前後生育が進んでいます。現状のまま生育が進むと、県中南部では4月25日過ぎに開花始期を迎える可能性があります。
一般に展葉期以降、開花期に近づく程、凍霜害を被る危険性が高くなりますので、引き続き毎日の気象情報に注意し、事前対策の徹底を図りましょう。特に例年凍霜害を被る園地では注意してください。

表1

2 展葉期以降の低温に注意

県内各地の「ふじ」の生育ステージの凍霜害発生危険限界温度を示したのが表2です。凍霜害発生温度や被害の様相は品種や部位、生育ステージ、低温遭遇時間などによって異なりますが、一般に展葉期を過ぎて開花期に近づくほど、凍霜害の危険性が高くなります。また、今年は生育が平年よりかなり早まっており、最低気温が平年並になっただけで被害が発生する可能性もありますので、例年以上に気象情報に注意し、事前対策の徹底を図りましょう。

表2

3 凍霜害対策

(1)凍霜害の事前対策

平成27年4月1日付け農作物技術情報号外凍霜害対策(果樹・野菜)を参照ください。

(2)被害発生後の対策:被害が発生した場合は次の対策を講じてください

ア 被害状況の確認
凍霜害発生後、被害状況を把握するためにはナイフなどでつぼみや花を割り、内部の状況を肉眼で確認してください。
確認する内容は、めしべから胚珠の色が健全か否かです。褐変している場合は結実は期待できません。
そして、以下の点を確認し、被害の少ない品種、少ない部位を確実に結実できるように結実対策を実施しましょう。

  1. 中心花と側花の被害程度(中心花及び側花は結実可能であるか)
  2. 樹上部と目通り高さの被害程度(樹上部の花は結実可能であるか)
  3. 傾斜した園地では、園地下部と上部の被害程度
  4. 品種毎の被害程度(被害の少ない品種は何か)

イ 人工授粉の徹底

被害を免れた花を確実に結実させるため、徹底して人工授粉を行います。

ウ 摘花・摘果
摘花作業は慎み、摘果剤の散布も控え、荒摘果は正常なガク立ちと果実肥大を確認後、過剰な着果を除く程度に行います。

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