農作物技術情報 号外(台風事後対策)(平成25年9月17日発行)

ページ番号2001948  更新日 平成25年9月17日

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9月16日に台風18号が岩手県付近を通過しました。冠水や浸水の被害が見られる場合には、以下を参考に事後対策を徹底しましょう。

水稲

(1)浸冠水した場合は、速やかに排水するよう努めてください。特に、長時間冠水すると登熟や玄米品質に影響するので、少しでも早く葉先を出すことが重要です。
(2)排水路等にゴミなどが詰まっていると再び降雨があった場合に浸冠水しやすくなりますので、土地改良区等と連携して排水路等のゴミなどを除去するなど点検・整備をしてください。
(3)倒伏した場合は収穫時に刈り分けし、土が付着した籾や青未熟粒等の混入を避けてください。また、穂に泥が付着すると調製時に玄米表面を汚す等、外観品質を損なう恐れがありますので、作業機はこまめに清掃し、品質低下を防止してください。

大豆

圃場にたまった水は直ちに排水し、長時間滞水しないように努めます。倒伏した株は莢が地面に接しないよう株どうしを重ねて持ち上げておきましょう。

野菜

(1)圃場にたまった水をただちに排水し、長時間滞水しないように努めます。また、茎葉に泥土が付着している場合は、動力噴霧機により水をかけて洗い流します。
(2)排水後は、圃場作業が可能になったら畦間の中耕を行うなど、土壌中に空気を送り根の活性化に努めます。
(3)台風通過後は、冠水や多湿、茎葉の損傷等により病気にかかりやすくなっていますので、品目ごとの防除基準に従って殺菌剤を散布し、病害の発生を予防します。
(4)支柱・ネット等の点検と併せて整枝・誘引などの管理を徹底し、強風などで傷んだ茎葉や果実、くず果を摘除し、草勢回復を図ります。
(5)必要に応じて薄い倍率で液肥を施用または葉面散布し、草勢回復を促進します。
(6)浸冠水や土に埋没するなど、回復の見込みのない場合は、直ちに整理し代替野菜の作付を検討してください(かぶ・つけな類・中国野菜のは種限界の目安は、9月下旬です)。

花き

(1)台風の通過後、滞水しているほ場は速やかに排水を促してください。
(2)速やかに支柱、ネットの修復を行い倒れた茎は早めに起こし曲がりを軽減するように努めます。また、崩れた畦の修復も行います。
(3)風雨により折損があった場合は被害部分を速やかに取り除きます。また、茎葉の損傷や泥の跳ね上がりから病害の発生が助長されるので、速やかに殺菌剤を散布します。
(4)草勢が弱っている場合は液肥の施用や葉面散布により回復をはかります。

果樹

(1)滞水したほ場は溝を切るなどして排水に努めます。
(2)強風により枝葉や幹に無数の傷が生じている場合や園地が冠水した場合は、腐らん病など樹体病害や果実腐敗性の病害の感染の恐れもあるので、特別散布で殺菌剤を全面散布し、感染を予防します。また、側枝や大きい結果母枝が折れた場合は傷口をなめらかに切り、塗布剤を塗ります。
(3)斜めに傾いたり、横になった樹体は、そのまま不用意に引き起こすと、残っていた根も切ることになるので、倒れた側からスコップで少し掘り下げるなど、注意深く戻します。

畜産

飼料用トウモロコシ

(1)熟期は、糊熟期から黄熟期と推察されますので、倒伏や折損した場合、できるだけ早期に収穫します。滞水等がある場合は、溝を切るなどして排水に努め、作業機がほ場に入れるようにします。
(2)収穫にあたっては、ハーベスタの収穫方向をよく考え、作業機の運行速度を控えめにします。また、土壌の混入はサイレージの品質低下を招くため、やや高めに刈ります。
(3)倒伏や折損の場合は、切断長が粗くなりやすいことから詰込み密度を確保するために、十分な踏圧と早期密封に努め、発酵品質低下を抑制します。
(4)収穫調製時の水分含量が高く、廃汁が多く出ますので、処理方法(溝や貯留槽の点検、汲み取りと散布場所)を考えておきます。

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