農作物技術情報 号外(暴風対策)(平成25年4月5日発行)

ページ番号2001931  更新日 平成25年4月5日

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農作物技術情報号外低気圧に伴う暴風対策

気象庁発表の気象情報第2号(4月5日10時38分発表)によると、急速に発達した低気圧が岩手県に最も接近するのは4月7日と予想されています。

今後の気象情報に注意するとともに、農作物被害を避けるための防止対策を適切に行いましょう。

水稲 排水路、育苗ハウス等の点検整備を万全に!

事前対策
(1)増水に備え、用排水路を点検しゴミ等を取り除いておきましょう。
(2)大雨により水路が増水している場合は、危険ですので近寄らないで下さい。
(3)育苗ハウスの点検整備を行い、強風に備えて下さい。(野菜・花きの項参照)

事後対策
(1) 早急に排水を図り、乾田化するよう努めましょう。
(2) 育苗ハウスが破損した場合は、早急に補修を行いましょう。

麦類 排水対策を十分に!

事前対策
地表の排水を促進するため、周囲溝や排水口などを点検・補修し、土壌表面水のすみやかな排水につとめます。

事後対策
圃場にたまった水は直ちに排水し、長時間滞水しないように努めます。

果樹 防風対策をしっかりと!

事前対策
(1)りんごのわい性樹は強風で倒状することがあるので、主幹を支柱に2〜3ヵ所結束します。
長大な側枝を持つ樹形であれば、一層、バランスを崩しやすいので、丈夫な支柱で支え、はずれないよう紐で縛り固定します。
(2)防風ネットを設置している園地では、ネットの張りを点検し、緩んでいるワイヤーは張り直し、破れたネットは張り替えるなど十分に効果が現れるよう準備します。
(3)ぶどう棚は倒壊しないよう、棚内部の力線に補助支柱を配し、周囲柱、隅柱を補強しておきます。

事後対策
倒木した樹は、斜めに傾いたり、横になった樹体は、そのまま不用意に引き起こすと、残っていた根も切ることになるので、倒れた側からスコップで少し掘り下げるなど、注意深く戻します。
紫紋羽病の発生園ではリゾレックス水和剤またはフロンサイドSCを潅注処理し、蔓延を予防してください。
なお、使用時期はリゾレックス水和剤が収穫60日前まで、フロンサイドSCが収穫45日前までです。各品種とも処理日と収穫開始可能日を必ず確認し、適正使用を厳守してください。

野菜 排水対策と施設の保守点検を十分に!

事前対策
(1) 強風に備え露地圃場やハウス周囲に防風ネットを設置している場合、緩んでいるワイヤーや針金を張り直し、ネットの破れている部分は補修します。
(2) パイプハウスは、ハウスバンド(マイカー線)が切れていないか、緩んでいないかを点検するとともに、ビニールの破損があれば補修しておきます。筋交いなどの補強を実施して強風に備えます。また、天窓や扉があおられたり風が吹き込まないよう、完全に閉めておきます。
(3) 局地的な大雨に備え、排水溝の整備・点検を行いましょう。特に、圃場外からの浸入水を防止するため、圃場やハウスの周囲にあらかじめ排水溝を設けておきます。
(4) 支柱・ネット等への誘引状況を点検し、しっかり固定します。

事後対策
(1) 低気圧通過後は、ハウスや被覆資材の損傷、ゆるみ等を点検し、必要に応じて補修を行います。なお、ハウス内に野菜等を作付中で、ビニールの修復が遅れる場合は、低温や寒風から守るため応急的にべたがけ資材やトンネル被覆等を行い保温に努めます。
(2) 圃場にたまった水はただちに排水し、長時間滞水しないように努めます。
(3)作物被害が出た場合、まき直しや植え直しが可能な場合は早急に実施します。
(4)低気圧通過後は、茎葉の損傷や多湿等により病気にかかりやすくなっていますので、品目ごとの防除基準に従って殺菌剤を散布し、病害の発生を未然に防止します。

花き 排水対策と施設の保守点検を十分に!

事前対策
(1)施設栽培では被覆資材の破損が拡大しないように、ビニールの小さな破れや傷の補修を行います。
また、風が強い場合、施設を閉め切ることになりますが、湿度が上昇して灰色かび病などの病害が発生しやすくなるので循環扇等で空気を撹拌して予防に努めます。
(2)圃場に水路などからの水が入らないよう土嚢などで対策するとともに、排水路の点検を行い、排水しやすいよう整備してください。

事後対策
(1) 低気圧の通過後、速やかに施設の点検を行い、必要に応じて補修してください。
(2) 滞水している圃場は明きょなどで速やかに排水します。

畜産 施設等の保守点検、停電時対応の確認を!

事前対策
(1) 強風による畜舎、飼料庫、飼料タンク、堆肥舎等の損壊及び風雨の吹き込みを未然に防ぐため、屋根、扉、窓及び外壁の破損や亀裂等の有無を確認し補修等の応急措置を行いましょう。
(2) 特に開放された飼料の保管場所では、乾草や稲わら等をシートで覆うなどして風がかからないようにするとともに、堆肥舎への風の吹き込みもあわせて防止して下さい。
(3) あらかじめ停電や断水等の対応を確認し、被災時には自家発電機等による搾乳が出来るよう対策を行いましょう。
(4) 水はけの悪い草地や飼料畑には明きょを掘削するなど、速やかに排水できるようにしましょう。

事後対策
(1) 畜舎等が浸水した場合は速やかに排水し、疾病発生予防のため洗浄と消毒を行った後、施設内の乾燥に努めましょう。

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このページに関するお問い合わせ

農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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