号外 大雪対策(平成23年2月10日発行)

ページ番号2001976  更新日 平成23年2月10日

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気象庁発表(2月10日5時現在)によると、12日から13日にかけて、発達する低気圧の影響で大荒れの天気となり、大雪となる恐れがあります。
今後の気象情報に注意し、大雪に備え被害軽減に努めましょう。

農業施設

除雪作業は事故防止に努めましょう!

(1) 現在ハウス上部に積もっている雪をおろす際は、あらかじめハウスの周囲、特に両サイドの雪を取り除いてから行い、再度、ハウス両サイドを除雪します。
(2) ハウス屋根への着雪を防止するため、降雪状況に応じて、ハウスを加温して落雪を促します。
(3) ハウスの倒壊が予測される場合には、ハウス内への立ち入りを極力避け事故を防ぎましょう。
(4)倒壊した施設は、一般に修復が困難で施設内の作物は放棄せざるを得ない場合が多いことから、十分な除雪や融雪を待って無理のない復旧作業に努めましょう。

畜舎

施設倒壊防止に努めましょう!

(1)畜舎等から異音等がないか巡視を強化しましょう。聞こえた場合は直ちに避難してください。
(2)積雪により、倒壊の恐れのある建物は可能な限り事前に補強しておくとともに、降雪時は速やかに除雪と雪おろしを行いましょう。
屋根の雪おろしは複数人で行うなど安全性に十分配慮しましょう。特に建物内に家畜が居ない場合(建設中、飼料庫、機械庫など)、内部からの家畜の放射熱がないため、屋根の滑雪が起こりにくくなります。
また、積雪後、しばらく経ってから倒壊する二次被害もみられるので注意して下さい。
(3)数日にわたる停電を想定して、復旧までの対処を確認しておきましょう。
電力会社や発電機の借用可能な会社と連絡先の確認を行い、近所や団体等と情報共有しておきましょう。
(4)可能ならば貯水タンク等を利用して必要な水を確保しましょう。

搾乳牛

乳房炎の早期発見に努めましょう!

搾乳が出来なかった時間が16時間を越えると乳房炎のリスクが高まります(表)。
搾乳再開後は早期発見に努めるとともに、発症している場合は、下記の対策を速やかに実施し、被害軽減に努めましょう。

表

(1) 異常個体の早期発見
ア 乳房の腫脹や熱感、冷感がある場合は、乳房炎が疑われます。
搾乳時、乳汁のPLテスターにより、感染の有無を確認します。
イ 搾乳時の前搾りで、凝固物(ブツ)の有無を確認します。
凝固物(ブツ)が確認できる場合は、PLテスターで感染の有無を確認します。
ウ その他、乳房炎が疑われる場合も、搾乳時にPLテスターで感染の有無を確認します。
エ 感染を確認したら、直ちに治療を依頼します。
(2) 飼料給与
免疫力の向上が、乳房炎予防や感染後の早期治癒に効果的です。
新鮮な水の十分な給与、嗜好性の良い粗飼料の十分な給与に努めます。
また、ビタミン剤も、分娩直後など十分に採食量が確保できない個体や治療中の個体などに給与すると効果的です。

果樹

雪害による被害軽減に努めましょう!

りんご:雪害の直接的な被害のほか、融雪遅延でネズミ、ウサギ等の間接的な被害もあります。

(1)事前対策
ア 苗木は、支柱を立て結束をしっかり行う。普通樹の成木は、大枝に予め支柱を立てておく。
イ 雪害を受けそうな枝は根雪前に荒剪定を行い、傷口に枝の保護剤を塗布しておく。
ウ 雪に埋った枝は掘り出すか、スコップ等で幹周辺の雪を排除し積雪沈降による枝折れを防ぐ。
エ 大雪の際は、雪が新しく、軽いうちに木の上の雪おろしを行う。
(2)事後対策
ア 裂けた大枝の裂開部は、ボルト、カスガイで早めに接合し、支柱で補強する。
イ 傷口から、腐らん病の発生が予想されるので、保護剤を塗布する。
ウ 癒着部は、再び裂け易いので枝の状態をみて、新しい枝の養成をはかる。

ぶどう:ぶどうの雪害は、冠雪によるぶどう棚の倒壊、枝の折損が発生します。

(1)事前対策
ア りんごに準ずるが、大雪前にせん定を終了する。なお、凍寒害が懸念される場合は、荒せん定とし、芽の数を多く残すようにする。
イ ぶどう棚に積雪し、棚の倒壊、枝折れの発生の恐れがある場合は、棚上の雪おろしを行う。
(2)事後対策
ア 若木で、枝折れがひどい場合は、強めに切って新しい枝を出し直す。
イ 棚が倒壊した場合は、早めに棚の締め直しを行うとともに、仕上げせん定と枝の結束を速やかに行う。
ウ ひどく裂開した枝は、そのまま放任せず、被害枝をせん除し、保護剤を塗布する。
エ 大枝の分岐部が裂開した時は、ボルトやカスガイで補強し、あわせて支柱を添えて補強する。

ネズミ、ウサギ対策
野ネズミの防止法には、回避、忌避など野ネズミを殺さずに被害を避ける方法と、殺そ剤などを使って野ネズミの密度を減らす直接的な方法の2つがあります。
生息密度が低い場合は、前者の方法だけで防除が可能ですが、密度が高い場合は甚大な被害を受けます。
したがって、基本的には、生息密度低下のための殺そ剤の投与などと、回避、忌避法を併用した対策が必要です。
野ウサギは狩猟獣のため、捕獲するには狩猟法の適用をうけ、毒殺は法律で禁止されているので、防止対策は忌避する方法のみです。
現在はなかなか効果的な防ぎ方はありませんが、積雪の少ない所では、地表40〜50cmの幹のまわりに金網などを巻く、市販忌避剤を適正濃度で枝幹部に塗布する、被害の多発が予想される所では、費用はかかるが積雪の上に約70cm出るように、金網の垣を園地の外周に作って侵入を防ぐなどの対策を講じます。
これらの対策は、降雪前に実施することが基本です。

注意!
この記事は発行年月日時点の内容のまま公開していますので、ご覧になった時点の法規制(農薬使用基準等)等に適合しなくなった内容を含む可能性がありますから、利用にあたってはご注意下さい。

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農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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