農作物技術情報 号外 低温対策(平成22年5月12日発行)

ページ番号2002002  更新日 平成22年5月12日

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5月13日に一部修正しました
【修正箇所】 水稲の「田植え適期の目安」のうち、県中北部・沿岸部を5月15日〜5月25日としました。

  • 5月7日に気象庁が発表した「低温に関する異常天候早期警戒情報(東北地方)」では、12日頃からの1週間の平均気温が「かなり低い」確率が東北地方で30%以上と予報しています。
  • また、5月10日には、かなり低い気温が続き、霜などによる被害の恐れがあるとして、「低温に関する北日本と東日本の低温と霜に関する全般気象情報第1号」が発表されています。
  • 特に5月14日〜15日は、降霜の恐れが強いことから、今後の気象状況に十分に留意して、農作物の管理作業を適切に行ってください。

水稲

ハウスの保温と好天の日に田植えを

1 田植えに向けて育苗ハウスを開放管理している時期ですが、霜注意報がでるときは保温をし、ハウス内の温度が5℃以下にならないように管理しましょう。
2 田植え作業は極端な寒い日や風雨の強い日を避け、できるだけ穏やかな日を選んで実施してください。
田植え適期の目安 (県南部:5月10日〜20日、県中北部・沿岸部:5月15日〜25日)
3 既に田植えを実施したところでは、次の管理を徹底してください。
(1) 気温が15度以下の時は、葉先がでる程度の深水管理とすること。
(2) ただし、低温でも日照があり風のない日は、日中は浅水にし水温の上昇を図ること。

野菜

ハウスの保温対策と露地栽培でのべたがけ資材の活用を

1 露地栽培においては、天候の回復を待って、は種や定植の作業を行ってください。
やむを得ず作業を行う場合には、定植後に不織布やビニールで被覆し保温対策をしてください。
2 ハウス栽培では保温に努めてください。
ただし、日中は日射しがあると急速に高温となるので、こまめに換気するなど施設の温度管理に注意してください。
果菜類では夜間の保温が重要となりますので、内部カーテンやトンネルなどの多重被覆が効果的です。
暖房機がある場合は活用します。

花き

トンネル被覆による保温対策を

小ぎく

1 降霜が予想される日の前日は、定植を避けるようにしてください。
2 晩霜対策や初期生育確保のためには、不織布や透明ポリフィルム等でトンネル被覆を行うことが効果的です。
3 圃場が乾いていると初期生育が遅れるので、適宜かん水を行ってください。

施設の温度管理

1 低温時は保温に努めてください。
内部カーテンやトンネルなどの被覆により、保温に努め、暖房機がある場合には活用して下さい。
ただし、日射しがあると急速に高温となるので、施設の温度管理に注意してください。

果樹

事前管理の徹底と対策を!!

りんご

1 生育概況

(1) 県内の定点観測結果によると、県南部で開花期をむかえています。
(2) 発芽は概ね平年並み、一方、4月中旬以降は低温で推移したため展葉は4〜10日程度遅くなりました。
また、県南部の開花も4〜7程度の遅れとなっています。

表1

2 凍霜害対策

一般に、展葉期を過ぎて開花期に近づく程凍霜害の危険性が高くなりますので、気象情報に注意し、防霜対策を徹底してください。

図1

図 生育ステージと凍霜害発生危険温度の目安

(1)凍霜害の防止対策
具体的には、[1] 霜溜まりを除去し、[2] 燃焼法で対応可能な園地では、燃料を十分準備します。[3] 防霜ファンを設置している園地では、動作、始動温度(2℃)を確認しましょう。[4] 畑地かんがい施設が整備され、スプリンクラーかん水による散水氷結法が可能な地域では、防霜ファン同様に始動温度の設定等を確認してください。
(2)被害発生後の対策
凍霜害発生後、被害状況を把握するためナイフなどでつぼみや花を割り、メシベ〜胚珠の色が健全か否かを肉眼で確認します。
その上で、被害を免れた花を確実に結実させるため、徹底して人工授粉を行います。
摘花(果)作業は被害様相が明らかになり、結実を確認してから実施しましょう。
また、結実しても、さび果、不正形果が多くでる可能性があるので、予備摘果は多めに残し、仕上げ摘果でよい果形のものを残すようにします。
ただし、摘果の終了時期と程度は基準どおりとします。

ぶどう

発芽以降は耐凍性が急激に低下しますので、凍霜害防止対策が必要となります。防止対策はりんごに準じます。

1 被害発生後の対策

ア 被害樹の新梢本数、花穂着生状況や着房の可否等、被害の程度を確認します。
イ 被害が少ない場合は、摘房で調整し着房数を確保します。
ウ 被害が多い場合は、芽数が少なく新梢が強勢となる場合があるので、芽かき、摘房程度を軽くし、場合によっては副芽も利用するなど新梢数、着房数を確保します。
それでもなお新梢が強勢である場合は、摘心を実施して結実を確保します。
エ 被害程度が甚だしく、新梢数、結実量の確保が難しい樹については、可能な限り着房させる他、副芽や潜芽などから発生した新梢について、花穂が無くても誘引等を実施して翌年の結果枝として養成します。

次の定期号は平成22年5月27日発行の予定です

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農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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