果実の凍害対策 −農作物技術情報 号外−(平成20年11月17日発行)

ページ番号2002054  更新日 平成20年11月17日

印刷大きな文字で印刷

本日11時の盛岡地方気象台発表の週間天気予報によると、盛岡における11月20日(木曜)の最低気温が−6℃と予想されています。
また、20日以降も寒波の到来により気温が低下する可能性もありますので、農作物の管理には十分に注意して下さい。

特にも、収穫が終了していないりんごでは、樹上で果実が凍結する恐れがありますので、可能な限り収穫作業を進めるとともに、樹上凍結した際には状況に応じて下記の対策を講じてください。

りんご

1.県内全域で、「ふじ」の収穫適期を迎えています。

収穫終了前に寒波が訪れた場合、果実の樹上凍結が心配されますので、収穫作業を急ぎましょう。
また、今年の「ふじ」はこうあ部裂果が多い傾向にあり、これを伴った樹上凍結果は、早期に果肉が褐変する可能性が高いので、特にも注意が必要です。

なお収穫果についても野積みしておくと果実が凍結する恐れがありますので、速やかに冷蔵庫等で貯蔵しましょう。

2.収穫について、樹上凍結が発生した場合を含め、以下の点に注意してください。

1)今年の「ふじ」の果実内容はすでに成熟しているので、よほどの着色不良果でない限り一斉収穫に近い作業とし、早めに収穫を終えましょう。

2)寒波が襲来した場合、果実を何個か割ってみて、凍結の有無を確認のうえ、適切に対処してください。
もしも凍結した場合、果実は弾力性が無くなりますので、極めて押し傷がつき易くなります。
従って、凍結中は果実に手を触れないようにし、当然収穫作業も禁物です。

(1) 氷点下2度前後の低温で凍結した場合

凍結の程度は比較的軽く、果実表面付近の凍結に留まりますので、日が照って気温が零度以上になると1〜2時間くらいでとけますから、その後に収穫します。
ただし、日が照らなかった場合や、日陰の果実はとけるまでにさらに時間を要するので注意が必要です。
この程度の低温の場合、果実の品質、貯蔵性にはほとんど影響はありません。

(2) 氷点下4度前後の低温で凍結した場合
果実の収穫は、基本的に(1)と同様ですが、とけるまでの時間は多く要しますので、果実の状態をよく観察してください。
果実の品質面では、長期貯蔵で萎凋しやすくなりますので、早めの販売が必要です。

(3) 氷点下6度前後の低温で凍結した場合
果実の収穫はとけてから行いますが、このような著しい低温の場合、過去の例を見ると、果心部まで凍結するため、とけた後の果実は硬度が低く、歯ざわりも悪いなど、食感が低下します。
また、貯蔵中の果肉褐変が多く発生する等、貯蔵性が悪くなりますので、販売に当たっては、正常な果実に混入しないよう注意が必要になります。

 

注意!
この記事は発行年月日時点の内容のまま公開していますので、ご覧になった時点の法規制(農薬使用基準等)等に適合しなくなった内容を含む可能性がありますから、利用にあたってはご注意下さい。

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するお問い合わせ

農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
〒024-0003 北上市成田20-1
電話番号:0197-68-4435 ファクス番号:0197-71-1088
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。