号外 台風対策(平成20年9月18日発行)

ページ番号2002050  更新日 平成20年9月18日

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提供元:中央農業改良普及センター県域普及グループ
問い合わせ先:0197-68-4435

台風13号は9月20〜21日頃にかけて本県に最も接近する恐れがあります。
今後の気象情報に注意するとともに、農作物被害を避けるための防止対策を適切に行いましょう。

水稲

排水路等の点検整備を万全に!!

(1)浸冠水が予想されるような水田では、刈り取り作業が円滑に行えるよう、あらかじめ水尻を開放し排水を促すようにします。
(2)特に、北上川流域等の水害の常襲地帯では、浸冠水した場合でも排水がスムースにできるよう、土地改良区等と連携して排水路等にゴミなどが詰まっていないか事前に点検・整備をしてください。

大豆

排水対策を十分に!

(1)事前対策として、地表面の排水を促進するため周囲溝や排水口などを点検・補修し、土壌表面水をすみやかに排水できるようにします。
また、風雨がやむのを待って再び点検・補修し、排水を促進しましょう。
(2)倒伏した株は莢が地面に接しないよう株どうしを重ねて持ち上げておきます。

果樹

りんご 暴風対策と被害軽減処理を十分に!

事前対策

(1)「つがる」「きおう」などの早生品種の収穫を急ぎましょう。
(2)防風ネットを配置している園地では、ネットの張りを点検し、緩んでいるワイヤーは張り直し、破れたネットは張り替えるなど充分な効果が得られるよう準備します。
(3)結実を始めたわい性樹は強風で倒状することもあるので、台風前に主幹を支柱に2〜3ヵ所結束します。
長大な側枝を持つ樹形であれば、一層、バランスを崩しやすいので、丈夫な支柱で支え、はずれないよう縄で縛り固定します。
(4)収穫直前の品種には、落果の際の傷を少なくするため、樹の下にワラを敷きます。
(5)高接ぎでは大切な更新枝を保護するよう添え木し、幼木も丈夫な支柱を立てておきます。
(6)降雨による表面水を、予め溝を切るなど、速やかに排水できるよう対処してください。

事後対策

(1)落果の処理
品種ごとに分けて拾い集め、傷の程度によって選別します。
その内、農薬散布実績を確認し、安全使用基準の収穫前日数が守られているもので、かつ生食が可能な果実はできるだけ生果として販売しましょう。
傷がひどく用途のない果実は家畜の餌か堆肥化を図ります。
(2)倒木の処理
斜めに傾いたり、横になった樹体は、そのまま不用意に引き起こすと、残っていた根も切ることになるので、倒れた側からスコップで少し掘り下げるなど、注意深く戻します。
紫紋羽病の発生園ではリゾレックス水和剤またはフロンサイドSCを潅注処理し、り病蔓延を予防してください。
また衰弱が予想される場合には、堆肥や土壌改良資材を根域に混和し埋め戻します。
なお、使用時期はリゾレックスが収穫60日前まで、フロンサイドSCが収穫45日前までです。
各品種とも処理日と収穫開始可能日を必ず確認し、適正使用を厳守してください。
(3)病害予防
園地が冠水した場合や枝葉や幹に無数の傷が生じている場合、果実腐敗性の病害やふらん病など樹体病害の感染の恐れもあるので、定期防除を早めるか、または特別散布で殺菌剤を全面散布し、感染を予防します。
また、側枝や大きい結果母枝が折れた場合は傷口をなめらかに切り、塗布剤を塗ります。

ぶどう 棚の補強と排水対策を十分に!

(1)防風施設の設置、見直しを行います。(りんごの項事前対策(2)に同じ)
(2)棚が倒壊しないよう、棚内部の力線に補助支柱を配し、周囲柱、隅柱を補強しておきます。
(3)降雨により土壌が軟弱化しアンカー等が浮き上がることを軽減するため、明渠や溝を切り、速やかに排水できるよう対処します。

野菜

排水対策と施設の保守点検を十分に!

事前対策

(1)局地的な大雨に備え、排水溝の整備・点検を行いましょう。
特に、圃場外からの侵入水を防止するため、圃場やハウスの周囲にあらかじめ排水溝を設けておきます。
(2)強風に備え露地圃場やハウス周囲に防風ネットを設置している場合、緩んでいるワイヤーは張り直し、ネットの破れているものや古くなっているものは補修、張り替えをします。
(3)パイプハウスは、ハウスバンド(マイカー線)が切れていないか、緩んでいないかを点検するとともに、ビニールの破損があれば補修しておきます。筋かいなどの補強を実施して強風に備えます。
(4)風が強い場合は施設を閉め切ることになりますが、湿度が上昇して病害が発生しやすくなるので循環扇等で空気を撹拌して予防に努めます。
(5)強風で支柱が抜けたり、倒伏する恐れがありますので、畦の両端や畦の所々で支柱を補強し、支柱の倒伏・倒壊、株の倒伏を防ぎましょう。
(6)支柱・ネット等への茎や枝の誘引状況を点検し、しっかり固定します。
(7)被害が予想される場合、収穫可能なものはできるだけ事前に収穫を終えます。

事後対策

(1)排水対策等
圃場にたまった水はただちに排水し、長時間滞水しないように努めます。
排水後、圃場作業が可能になったら畦間の中耕を行って土壌中に空気を送り、根の活性化に努めます。
(2)殺菌剤散布・葉面散布
台風通過後は、冠水や多湿、茎葉の損傷等により草勢が低下し、り病しやすくなっていますので、品目ごとの防除基準に従って殺菌剤を散布し、病害の発生を未然に防止します。
茎葉に泥土が付着している場合は、動力噴霧機により水をかけて洗い流すとともに、殺菌剤の散布を実施します。
強風などで傷んだ茎葉や果実は摘除して草勢回復を図るとともに病害発生を防ぎます。
必要に応じて液肥を薄い倍率で施用または葉面散布し、草勢回復を促進します。

花き

排水対策と風による倒伏対策を十分に!

事前対策

(1)圃場に水路などから水が入らないように土嚢などにより対策するとともに、排水路の点検を行い、排水しやすいように整備してください。
(2)強風による折損や倒伏の恐れがあるので、支柱やネットの強度を確認し、補強してください。
なお、ネットの上げ方が不十分だと茎上部が風で折れることがあるので、適宜引き上げてください。
(3)施設では、被覆資材に破れた部分から広がるので、補修を行います。
また、風が強い場合施設を閉め切ることになりますが、湿度が上昇して灰色かび病などの病害が発生しやすくなるので循環扇等で空気を撹拌して予防に努めます。

事後対策

(1)排水対策:
台風の通過後、滞水している圃場は速やかに排水し、折損のあった茎葉は早急に除去します。
(2)圃場の確認:
風雨による被害がないか確認し、支柱、ネットのほか、崩れた畦の修復も行います。
(3)倒伏対策:
風により茎が倒れた場合、曲がりが発生して出荷不能となりますが、キクなどでは早めに起こすことで曲がりが軽減される場合があります。
(4)汚れ対策:
風雨で泥が葉に付いた場合、乾く前に水で洗い流してください。
(5)病害対策:
風による傷や雨や泥の跳ね上がりから病害の発生が助長されるので、晴れ間を見て速やかに殺菌剤を散布し病害の発生を予防します。
(6)草勢回復:
草勢が弱っている場合、液肥の葉面散布などにより回復を図ってください。

畜産

とうもろこしの適切な収穫調製を!

飼料作物

(1)転作田では排水溝の点検を行い、速やかに雨水の排水を促してください。
特に、とうもろこしは湿害に弱いのでしっかり対策してください。
(2)強風によるとうもろこしの折損や倒伏があると、収穫調製の際にハーベスタ食い込み量の変動が大きく、切断刃の損傷やとうもろこしの詰まりを起こしやすくなるので、作業機の運行速度は控えめにしてください。
切断長が粗くなりやすく原料密度が高まりにくいので、十分な踏圧と早期密封をして、発酵品質低下や二次発酵を抑制します。
(3)とうもろこし茎葉部に土砂の付着が多いと不良発酵の原因となるので、低刈りによる土砂の混入に十分留意するほか、収穫作業は極力晴天時に行います。
登熟が進んでいない場合には収穫時期を遅らせて、土砂付着の自然解消を待ちます。
土砂付着が多い状態で収穫しなければならない場合は、ギ酸などの添加を行って下さい。
収穫後の踏圧作業は十分行い、速やかに密封します。

家畜飼養

(1)牛舎等に浸水した場合は、速やかに排水対策を講じ舎内の乾燥化に努めます。
畜舎の滞水が引き次第、水洗し、消毒剤や石灰の散布、石灰塗布を行います。
(2)ふん尿が飼料に触れないように注意します。
(3)ふん尿貯留施設、野外堆積場から「れき汁」が流れ出ないよう、側溝の設置や藁類の追加を行います。

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このページに関するお問い合わせ

農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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