農作物技術情報号外低温対策(水稲、野菜)(令和元年7月11日発行)

ページ番号2001368  更新日 令和1年7月11日

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図

水稲

水管理
中干しを実施しているところは直ちに、入水を始めてください。
幼穂形成期から減数分裂期までは、幼穂を低温から保護することにより、小胞子(花粉のもと)の分化が促進され、障害不稔を防止または軽減できます。

幼穂形成期前後は水温を確保する
4~6cmの水深で管理し、減数分裂期に向けて10cmの水深にしてください。
減数分裂期前後は深水管理を実施する
低温が予想される場合は、10cm以上の水深を確保してください。
17℃以下の低温が予想される場合は、15cm以上の深水としてください。

水温の上昇を図るため、早朝にかんがいすることとし、日中は止水としてください。
特に用水の水温が低い地域では、入水後の水温が上昇しにくいため、今から徐々に水深を深くすることが必要です。減数分裂期に入る前から水深を深くすることで、入水時の冷たい用水の影響を緩和する効果もあります。
畦畔からの漏水がないよう、点検・補修してください。
深水管理には大量の用水を必要とします。土地改良区等と連携の上、公平かつ有効な用水の配分が出来るよう、計画的に地域で取り組むようにしてください。

図1

追肥
窒素追肥により、低温の影響を受けやすくなります。到達しつつある幼穂形成期に低温が予想されていることか
ら、主な品種は表1により追肥実施を判断してください。
耐冷性の強くない品種(トヨニシキ、ササニシキ、ぎんおとめ、結の香、ヒメノモチ、こがねもち)では、葉色がしっかり低下した場合以外は、追肥は延期しましょう。

表1

いもち病防除
葉いもちの初発が確認されました。いもち病の発生に適した天候が続く見込みとなっていますので、早期発見に努め、防除対策を講じましょう。詳しくは農作物病害虫防除速報ナンバー7水稲編-3(岩手県病害虫防除所 令和元年7月10日発表)をご覧下さい。
感染好適条件は県中南部で6月20日以降出現しており、今後広域的な葉いもちの発生が懸念されます。
県内では6月28日以降日照不足が続き、今後2週間程度は平年に比べて日照時間も少なく、気温も低い見込みとなっています。
葉いもち予防粒剤(箱粒剤、水面施用剤、投げ込み施用剤)を使用した圃場でも発生することがあります。よく観察して発病を確認したら、すぐに茎葉散布を行いましょう。

表2

野菜

草勢維持管理・病害虫防除を徹底しましょう
夏秋きゅうりは、曲がり果や尻太果などを摘果し、草勢の維持・回復を図ります。低温時の草勢維持と病害の蔓延防止のためには、摘葉を基本とし、整枝は控え目とします。病害では、斑点細菌病・べと病等を重点的に防除しましょう。
ハウス果菜類は、生育量の増大とともに通風が不良になってきますので、整枝や遮光資材を外すなどして採光を図るとともに、くん煙剤等の利用など効率的な防除を行いましょう。なお、病害発生時は、保温よりも換気を行ってハウス内の湿度を下げることを優先してください。また、草勢に応じてかん水・追肥を実施してください。
レタスやキャベツなど露地葉菜類では、曇雨天が予測される時は薬剤の散布間隔を基準よりやや詰め、散布のタイミングを逃がさないように注意することが必要です。ねぎはべと病等の防除に加え、軟腐病の発生が懸念される圃場では薬剤による予防散布を実施するとともに、過度の土寄せをしないように注意してください。
雨よけほうれんそうはハウス内の通風を良くしてべと病の発生を防止し、軟弱徒長とならないように注意します。また、密植部分は早めに間引いて株間を広めにし、1株重量の増加を図ります。

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農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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