【凍霜害に備えましょう!】果樹類の凍霜害対策について(4/16)
果樹類の凍霜害対策について(4/16)
りんごは、低温に弱い花蕾露出期や中心花蕾着色期を迎えています。 今後の気象予報に留意し、凍霜害の防止対策を徹底しましょう。
1 生育概況
生育診断圃調査地点の調査結果によると、りんごの展葉は、平年より8日早い4月6日(県平均)でした(表1)。また、おうとうや西洋なしも、平年より早く発芽しました(表2)。
現在、りんごは、花蕾露出期(グリーンクラスター期)や中心花蕾着色期を迎えています(図1)。この時期から開花期にかけて、花器は低温に弱く、凍霜害の発生が懸念されます。被害を最小限にとどめるため、事前・事後対策が重要です。
気象庁の1 か月予報(4/11~5/10)によると、気温は平年より高くなると予測されており、開花はさらに早まる可能性があります。また、盛岡地方気象台は、4 月16 日に、翌4月17 日朝にかけて、強い霜による被害のおそれがあることを「強い霜に関する岩手県気象情報」で発表しました。今後とも気象情報・注意報や気象予報等に留意し、凍霜害の防止対策を徹底しましょう。


2 凍霜害対策
りんごの花器は、開花期に近づくにつれ、低温耐性が下がります(図1)。おうとう、西洋なしも同様です(ステージ別安全年限界温度は省略)。被害が発生する温度の目安としては安全限界温度(1時間おかれた場合わずかでも花芽が障害を受ける温度)がありますが、植物体の温度は気温より1~2℃低いので、樹体付近の気温は、安全限界温度よりも2℃以上高い状態を保つことが重要です。
降霜は無風、晴天の日で、降雨の1~2日後は特に危険性が高く、さらに前日夕方18 時の気温が6℃以下の場合は要注意です。

(1) 凍霜害の防止対策
ア 霜溜まりの解消
傾斜地の場合、園内の障害物は、霜だまりを作りやすいので除去します。また、園地周囲の防風ネットが冷気の流れをせき止めるような場合は、巻き上げておくか除去します。
地温の上昇を促し、低温層の発生位置をできるだけ低くするため、マルチは除去し、草刈り等で草丈を低く保ちます。
イ 燃焼法による防止
灯油や固形燃料などを燃焼させて園地の気温を直接高めることで(図2、表3)、地表面より1.5mの高さで2~4℃の気温上昇が期待できます。ただし、一定のコスト(30,000 円/10a 程度)がかかるため、低温になりやすい場所など地形も考慮して設置するなどの配慮が必要です。
なお、燃焼法を実施する際は、事前に各地区消防組合へ届出書*を提出してください。ただし、林野火災警報及び注意報の発令中は、屋外での火の使用が制限されるため、市町村の基準に従い対応しましょう。
*「火災とまぎらわしい煙又は火災を発生するおそれのある行為の届出書」


ウ 防霜ファンの準備
防霜ファンを設置している園地では、動作と始動温度(2℃)を確認しておきます。
エ 散水氷結法
畑地かんがい施設が整備されている地域では、スプリンクラーかん水による散水氷結法が可能なので、防霜ファン同様に始動温度の設定等を確認します。
3 被害発生後の対策
(1) 被害状況の確認
凍霜害発生後、めしべの萎縮や褐変がみられる場合は、結実が期待できません(図3)。
以下の点を確認し、被害の少ない品種、少ない部位の花を確実に結実させるように結実対策を実施します。
ア 中心花と側花の被害程度(中心花及び側花は結実可能であるか)
イ 樹上部と目通り高さの被害程度(樹上部の花は結実可能であるか)
注 降霜被害では樹上部より樹の下部の方に被害が見られます(図4)
ウ 傾斜した園地では、園地下部と上部の被害程度
エ 品種毎の被害程度(被害の少ない品種は何か)
(2) 結実確保
被害を免れた花を確実に結実させるため、人工授粉を徹底します。
(3) 摘花・摘果
摘花作業は慎み、摘果剤の散布も控え、被害様相が明らかになり結実を確認してから実施します。また、凍霜害が発生した場合は、花器や幼果で特徴的な変異がみられ(表4)、結実してもサビ果、変形・奇形果が出るので、予備摘果では多めに残し、仕上げ摘果で良い果形のものを残します。



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農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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