果樹における少雨・高温対策
少雨・高温が続いていることから、果実や樹体の生育への影響が懸念されます。
今後の気象情報に注意し、被害の未然防止や軽減を図るための対策を実施しましょう。
1 果樹共通
(1) 果実及び樹体の管理
- 果実や枝の日焼けを防止するため、過度な摘葉や夏期剪定は控えるとともに、枝陰や被覆資材を利用して、果面温度の急激な上昇を抑えましょう。
- 収穫期には、過度な着色は期待せず、食味や果肉の硬さを重視して収穫します。
(2) 土壌水分管理
- 養水分の競合を避けるため草生は短く維持し、樹幹下に刈草やわら等でマルチを施すことも有効です。
- 日焼け果の発生軽減や樹勢維持のため、畑地かんがい施設が整備された地域ではかん水を実施します。また、苗木や幼木は根量が少なく、乾燥の影響を受けやすいため、スピードスプレーヤー等を活用し、優先してかん水に努めます。なお、かん水は、できるだけ気温が高い時間帯を避けて実施します。
(3) 病害虫防除
- 病害虫防除所の発生予察情報を参照し、適期防除に努めます。
- 本年は果樹カメムシ類の飛来が多く、高温による活動の活発化が懸念されます。病害虫防除所の速報や注意報を確認のうえ、飛来の状況に応じて効果の高い薬剤による防除を行います。
2 りんご
- 葉摘みは、果面温度が十分上昇した日中に行い、極端な高温の際は作業を控えるか、夕方に実施します。
- 極早生品種「紅ロマン」の日焼け対策として、梅雨明け後に被覆資材(サンテ)で果実を覆うことが有効です(写真)。果実の肩までしっかり被い、着色に影響を及ぼさないよう収穫予定の数日前に取り外します。
- 果肉の軟化や着色の遅延、収穫前落果等は、令和7年6月16日発行の農作物技術情報特別号(高温対策)を参照し対策を講じます。
3 ぶどう
- 比較的乾燥に強い樹種ですが、7月に極端な干ばつがあると果実肥大が抑制されるため、葉色や新梢の生育を観察し、適宜対策を講じます。
- 特に、大粒種は、果粒肥大促進のため適度な水分が必要です。ただし、着色期に近づき極端な土壌水分の変化が生じると、裂果の発生が懸念されるので、水回り期(ベレーゾン期)までは、できるだけ安定した土壌水分の管理に努め、過度な新梢管理は控えます。
- 日焼けの発生や着色の遅延等は、令和7年6月16日発行の農作物技術情報特別号を参照し対策を講じます。
4 熱中症対策
- 高温下での長時間作業や単独での作業は避けましょう。こまめに水分と塩分を補給し、休憩を取ることに加え、冷却ベスト、ネッククーラーなどの熱中症対策アイテムを効果的に活用します。
当面の栽培管理については、7月31日発行予定の農作物技術情報第5号も併せて参照願います。
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農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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