農作物技術情報 第8号 畑作物(令和5年10月26日発行)

ページ番号2010171  更新日 令和5年10月26日

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タイトル

  • 大豆 収穫時期を迎えています。青立ちした株や大型雑草の除去など、汚損粒の発生防止に努めるとともに、作業前に子実水分・茎水分の低下を確認のうえ、速やかに収穫を行いましょう。
  • 小麦 播種後に除草剤を散布していない圃場は、小麦の生育や雑草の発生状況に応じた土壌処理剤を選択し、必ず除草剤を散布しましょう。また、圃場が乾いた条件では積極的に麦踏みを行い、凍上害や倒伏を回避しましょう。越冬後の融雪対策のため排水路の点検、整備を行いましょう。

大豆

登熟期間の気温が高めで経過したことから、黄化・落葉が遅れ、成熟期は平年より3日程度遅く達しました。また、播種期の違いによる成熟の差が大きく、晩播した大豆では成熟が遅れました。
収穫作業が始まっていますが、莢が付かず落葉しない青立ち株に加え、莢は成熟しているものの茎水分が低下していない、いわゆる莢先熟の株も見られますので、汚損粒を発生させないよう、茎水分の低下を確認するなど的確な収穫期の判断が必要です。

1 収穫前の抜き取り

青立ち株や大型雑草などを収穫前までに圃場から撤去してください。青立ち株や大型雑草等は汚損粒の原因となるだけでなく、コンバインのカッター等で切断されずリール周辺で豆に接触して裂莢を増加させることがあります。また、オペレーター等が刈取りに集中できず、大幅に作業効率が低下します。

2 適期収穫

収穫適期(茎水分50%以下、子実水分18%以下:分枝が手でポキポキと折れる時期が目安)に達した大豆は速やかに収穫してください。晴天等が続くと裂莢が急激に進むほか、子実水分が低下しすぎると乾燥調製時などに豆が割れやすくなります。また、収穫が遅れると紫斑粒やしわ粒、腐敗粒の発生も増加します。収穫作業のポイント等は「農作物技術情報第7号畑作物」(令和5年9月28 日発行)をご覧ください。

小麦

播種作業は9月中旬から始まり、適期播種された圃場の出芽、初期生育は良好となりましたが、降雨の影響により作業の遅れがみられました。これから播種を行う場合、播種適期を過ぎていますので、年内にできるだけ茎数を確保するため、播種晩限から1週間遅れるごとに10%播種量を増やしてください。

1 雑草防除(重要!)

小麦4葉期まで散布可能な土壌処理剤もあります。播種後に土壌処理剤を散布していない圃場では、除草剤の登録内容を確認し、土壌処理剤を必ず散布してください。越冬前に土壌処理剤が散布できなかった場合には、越冬後、雑草が小さいうちに茎葉処理剤を散布してください。

2 麦踏み

表1にあるように、麦踏みは茎数の増加や倒伏防止などに大きな効果があります。近年雪が少ない年が続いていますが、積雪が少なく土壌の凍結が強い地帯や、土壌が軽い火山灰土などでは、麦踏みは特に有効です。積極的に麦踏みを行ってください。                                                          ただし、圃場が乾いていることが実施の条件となりますので、排水不良の圃場や土壌水分が高い場合、あるいは砕土率が極端に低い場合は実施を避けます。

注麦踏みの実施方法・実施時期

  • 鎮圧ローラーやタイヤなどを用います。
  • 実施時期は、小麦4葉期~雪解け後の茎立ち前(概ね4月上旬)まで。
  • 回数は、越冬前・越冬後それぞれ1回以上を目標にします。暖冬年や播種が早い場合は回数を増やします。

表1

3 雪腐病の防除

県北部や高標高地帯など、根雪期間が長い地域では薬剤防除を行います。この場合、例年発生している雪腐病の種類に応じて薬剤を選定します。
ここでは、県内で発生の多い雪腐褐色小粒菌核病紅色雪腐病について、防除薬剤と防除時期を紹介します。

図

雪腐病は連作圃場ほど発生が多い傾向が見られます。このため、耕種的防除として、常発地では輪作を取り入れる、融雪期には消雪を早め排水を図る、融雪後の追肥を行い生育の回復を図る、などの対策を行います。

【資料利用上の注意】

  • この資料に掲載している農薬の情報は、令和5年10 月20 日現在の農薬登録情報に基づいています。
  • 農薬は使用前に必ずラベルを確認し、使用者が責任をもって使用してください。(資料作成年月日:令和5年10 月20 日)

4 排水路の点検

明渠や排水路の点検整備を行って、滞水による湿害等を防いでください。

写真1

最後

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このページに関するお問い合わせ

農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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