農作物技術情報 第3号 花き(令和5年5月25日発行)

ページ番号2006978  更新日 令和5年5月25日

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タイトル

  • り ん ど う 適期定植、適期防除(特にリンドウホソハマキ)に努めましょう。
  • 小 ぎ く 適期作業に努め、病害虫防除を徹底しましょう。
  • 共 通 圃場が乾燥する場合は、かん水しましょう。

りんどう

1 生育の状況

露地栽培の生育は、平年並みからやや早くなっています。極早生種では着蕾が始まっています。葉先枯れ症状の発生が多くなっています。
病害虫は、リンドウホソハマキの成虫の発生が始まっています。一部地域でハダニ類の発生がみられています。葉枯病は下葉での発生がみられています。
県内の各地域で6月上旬から本格的な定植作業が始まる見込みです。

2 圃場管理(採花年)

(1)株仕立て
株当たり8~10 本を目安に残し、草丈30cm 頃までに終えるようにします。
(2)かん水
5月下旬から6月は茎葉が最も伸長する時期で、水分や肥料を多く必要とします。肥料の吸収には土壌水分が必要なので、土壌が乾燥した都度かん水を行います。ただし、30℃を超えるような高温時のかん水は、根に高温障害を発生させる可能性があるので避けるとともに、通路の長時間滞水にも注意します。
圃場の乾燥が続くと、葉先枯れ症状が発生しやすくなります。葉先枯れがみられる圃場では、かん水を徹底するとともに、生育初期からの定期的な石灰資材の葉面散布により、発生の軽減を図ります。

写真1

(3)追肥
基肥として「りんどう専用肥料」等の化成肥料を用いた場合は、追肥を行います。追肥は側芽発生期(葉の付け根に側芽が発生する時期)までに終えるようにします。北上市付近における平年の側芽発生期は、早生種で5月下旬から6月上旬、晩生種で6月中旬から下旬ですが、気象経過による年次変動が大きいので、圃場を観察して適期に施用します。
定植時に「りんどう定植2年肥料」を用いた場合は、基本的に2年目の施肥は不要です。ただし、葉色が淡い症状がみられる時は、化成肥料を用いた場合と同様に追肥します。

写真2

(4)ネット管理
フラワーネットの最上段が草丈の7割程度の位置となるよう草丈の伸長に合わせて調整します。6月は茎葉が伸長す
る時期です。ネット上げ作業の間隔を短くし、茎の曲がりを防ぎます。

(5)雑草対策
圃場内及び周辺の雑草は、ハダニ類やアザミウマ類の繁殖場所となるので、畦畔の草刈りや通路の除草を早めに行います。また、通路の防草シート設置や除草剤の利用などにより、できるだけ手取除草や機械除草を減らして省力化を図ります。
(6)雪害発生園地における事後対策
5月上旬には県北部を中心に降雪や積雪による茎の折損や曲がり、株が倒伏する被害が発生しました。茎の曲がりは完全には戻りませんが、今後、草丈をできるだけ伸ばすことで出荷できる可能性が高まります。適期に追肥するほか、土壌が乾燥しないよう通路かん水を実施し、茎の伸長を促します。また、茎の伸長に合わせてネット上げを行い、茎の上部の曲がりを防ぎます。

3 畑づくり(定植年)

(1)圃場準備
天候を見ながら計画的に畑づくりを進めます。堆肥は完熟したものを用いますが、熟度に不安がある場合は、早めに施用して土と混和しておきます。
排水不良圃場では、明渠や排水路の設置や高畝とする等の対策を講じます。定植年の生育状況が2年目以降の生育に大きく影響するので、排水対策はとても重要です。
畝立て後、土壌処理タイプの除草剤処理により、一定期間雑草の発生を抑えることが可能です。

写真3

(2)定植
定植に適した苗は3~4対葉です。老化苗定植とならないよう計画的に定植作業を進めます。また、ジベレリン処理を行った苗は、苗の軟弱徒長を防ぐため、遅くとも処理後2、3日以内に定植します。
晴天時の定植では、セルトレイを長時間直射日光下に置かないよう注意します。また、抜き取った苗をマルチ上に置かないようにします。
定植時は、床土と苗との隙間を通路の土や市販培土等を埋め、乾燥を防止し、早期の活着を促します。また、定植後は植え穴へ十分量かん水し、床土と苗をなじませます。初期生育を促すために、薄めの液肥をかん水代わりにかん注する例もみられます。
定植から1ヶ月程度は乾燥に弱いので、その間は特に水分管理に留意します。

写真4

4 病害虫防除

(1)葉枯病
下葉への発生がみられています。降雨が多くなると発生しやすく、例年、梅雨入り後に拡大する傾向がありますので、定期的な薬剤散布による予防防除に努めます。
(2)リンドウホソハマキ
昨年より早く越冬世代の成虫の羽化が確認されています。成虫や幼虫の潜葉痕及び頂部の食害が認められたら防除を開始します。産卵の大部分は葉裏に行われるため、下位葉の葉裏までしっかり薬剤がかかるよう、丁寧に散布します。
茎部に食入後の幼虫は薬剤防除が難しいため、被害茎を見つけたら折り取り処分します。

写真5

(3)ハダニ類
発生が始まっています。下葉の裏の寄生状況を観察し、発生を見たら直ちに防除を開始します。
ハダニ類は薬剤抵抗性を獲得しやすいので、同系統の薬剤は年1回の散布とします。併せて、発生源となる圃場内及び周辺雑草の除草を行います。

小ぎく

1 生育の状況

8月咲品種の定植は、平年どおり4月下旬から5月上旬となりました。定植後の生育は概ね順調で摘心作業が始まっています。
9月咲品種の挿し芽は、平年どおり5月上旬から始まり、5月下旬から定植が始まっています。
病害虫では、白さび病が本畑で、苗からの持ち込みによる発生がみられます。また、親株ではべと病、アザミウマ類、ハダニ類の発生がみられています。

2 定植後の管理

(1)かん水
定植後に土壌水分が不足すると生育が停滞し、側枝数や切花長の不足の要因となります。乾燥が続く場合は、適宜かん水を行います。
(2)摘心
摘心は、定植後に活着を確認してから芽の先端部を摘み取ります。作業後は圃場を何度か確認し、摘心のやり残しや不完全な摘心がないようにします。
また、省力化を目的として、定植前にセルトレイ上で摘心する方法や、定植後に本葉4、5枚を残して先端部を通常より大きく摘み取る方法(ハードピンチ)もあります。いずれの方法とも、側枝の発生数が少なくなる場合がありますので、側枝の発生が弱い品種では、慣行の定植後のソフトピンチとします。

写真6

(3)整枝
整枝(株仕立て)は、側枝の長さが20~30cm の頃に行います。
株当たり3本残して他の枝は除去しますが、草勢の強い品種では4本仕立ても可能です。残す枝の判断については、強い枝を残すと他の枝の生育が悪くなるので、できるだけ生育の揃った枝を残すようにします。

(4)土寄せ
無マルチ栽培の場合は、土寄せを行い生育の促進と雑草対策を図ります。側枝が10cm 程度伸びた頃と、整枝を行ったあとの2回が実施時期の目安です。

3 病害虫防除

(1)白さび病
品質・収量に大きな影響を及ぼす可能性があるため、年間を通じて防除に留意します。育苗期に発生した場合、
苗からの持ち込みによって本畑でも発生しやすくなります。また、降雨が多くなる梅雨時期に発生が増えるの
で、今後注意が必要です。
薬剤の選定は各地域の防除暦等を参考としますが、発生状況に応じた「予防剤」と「治療剤」の適切な使い
分けが重要です。発生後は治療効果の高い薬剤を散布します。

写真7

写真8

(2)キクわい化病
キクわい化ウイロイドによる病気で、節間が短縮して草丈がわい化し、葉は葉色が淡くなり、小型になります。
わい化病に感染した株は治癒する可能性はなく、治療薬もありません。圃場に残すことで他の株への伝染源となります。親株として使用した場合は挿し穂に伝染するので、見つけ次第抜き取り処分します。

写真9

(3)害虫
今後、ハダニ類、ハモグリバエ類、アブラムシ類及びアザミウマ類に注意が必要です。特に、親株で発生がみられた害虫は、苗からの持ち込みによって本畑でも発生しやすくなります。発生状況の観察に努めて早期防除に留意するとともに、発生・増殖源となる雑草の防除を行います。
一部の地域で、親株にクロゲハナアザミウマの発生がみられています。ハダニ類による葉のかすれ症状と被害と似ているため、加害種を確認したうえで薬剤を選択し、防除します。

最後

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