農作物技術情報 第1号 畑作物(令和5年3月23日発行)

ページ番号2006821  更新日 令和5年3月23日

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タイトル

小麦

  • 小麦の生育は順調です。
  • 排水対策は今後の適期作業にも大きく影響します。圃場内の明渠や排水溝を補修し、速やかに排水できるよう努めましょう。
  • 融雪期追肥は茎立ち前までに行い、除草剤の散布は適期を逃さず早めに行いましょう。
  • 麦踏みは茎立ち前までに、圃場が乾いていることを確認して行いましょう。

小麦

1 生育状況

今冬は、根雪開始が12 月中旬から始まりましたが、3月上旬までに消雪し、根雪期間は平年並みとなりました。生育は、3月上旬から中旬にかけて気温が高めで経過したことから、順調に進んでいますただし、排水対策が十分ではない圃場では、水が溜まっているところもみられ、生育の遅れが懸念されますので、速やかな排水が必要です。


2 排水対策

小麦は生育後半まで湿害を被る作物です。できるだけ早く圃場を乾かし、今後の作業を容易にするためにも、排水溝の崩れやゴミの詰まりを点検し、速やかに排水できるよう補修します。
例年、隣接する水田からの流入水の影響により、生育の悪い圃場が散見されますので、畦畔を補修するとともに、茎立ち前を目安に、必要に応じて圃場内排水溝を設置します。

写真1

3 麦踏み

生育が旺盛な場合は、鎮圧ローラーやタイヤなどを用いて麦踏みを行います。生育を揃え、耐倒伏性を高める効果もあります。麦踏みは、消雪後から茎立ち前にかけて、圃場が乾いているときに実施します。ただし、麦の生育が劣る場合や土壌水分が高い場合は避けます。
茎立ち期:節間伸長により茎が起立し始め、主稈長が2cmになった時期。岩手県では幼穂形成期とほぼ同時期の概ね4月中旬に茎立ち期に達します。

4 融雪期追肥

融雪期追肥は、生育量を確認し、下記の表を参考に茎立ち前までに行います。縞萎縮病が見られる場合や白鳥による食害を受けた場合にも、融雪期追肥が有効です。

表1

表2

写真2 3

5 除草

圃場をよく観察し、雑草が生えそろって小さいうちに茎葉処理除草剤を散布します。
特に連作圃場では、雑草害が大きくなります。雑草の種類、発生状況をあらかじめ把握しておくと、効率良く防除することができます。

6 ムギ類萎縮病、コムギ縞萎縮病について

どちらの病気も土壌伝染性のウイルスが原因です。名前のとおり株が萎縮し、黄緑色のかすり状の斑点・モザイク症状を示します。特にナンブコムギでは被害が大きくなります。萎縮病の症状が見られた場合は、追肥で被害を軽減します。

写真4

7 肥料コスト低減に向けて

肥料・燃油価格の高騰が進む昨今ですが、必要な資材までも安易に使用を控えると収量や品質に悪影響を与えてしまいます。このため、肥料については、土壌診断に基づく適正施肥、たい肥等有機物の活用、施肥量低減技術の導入、肥料銘柄の見直しや調達方式の改善等によりコスト低減に努めます。
岩手県では、肥料コスト低減に向けて下記のマニュアルを発行し、岩手県ホームページに掲載しています。是非一度、お手持ちのパソコンやスマートフォンから確認してください。
岩手県肥料コスト低減対策マニュアル(令和4年1月)
https://www.pref.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/049/686/hiryoukoutoumanyuaru0406.pdf

最後

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