【霜害に備えましょう!】果樹類の霜害対策について

ページ番号2004992  更新日 令和4年4月1日

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1 生育概況

 生育診断圃調査地点の調査結果によると、4月1日時点でりんごの発芽は、一関市の「ふじ」で3月30日(平年より4日早い)に確認されているだけで、他地域では確認されていません。

 温度変換日数法(H28研究成果)による発芽予測(3月31日時点)では、県平均で4月5日であり平年より2日早いと予測されています(表1)。

 令和3年は3月の気温が高く推移し、りんごの発芽及び展葉は平年より10日以上早くなりました。そのため、4月の低温降霜により大きな被害が発生しました。

 令和4年のりんごの生育は令和3年ほどではありませんが、平年よりはやや早くなる見込みです。また、気象庁の1か月予報(3/31~5/2)によると気温は高くなると予測しており、開花も早まる可能性があります。今後とも気象情報に注意するとともに、事前対策の準備を進めましょう。

表1 ふじの発芽予測結果

2 凍霜害対策

 りんごの花器は、開花期に近づくにつれ、低温耐性が下がってきます(図1)。

 降霜は無風、晴天の日で、降雨の1~2日後は特に危険性が高く、さらに前日夕方18時の気温が6℃以下の場合は要注意です。

図1 りんごの生育ステージと安全限界温度

(1)凍霜害の防止対策

ア 霜溜まりの解消

 傾斜地の場合、園地下方の障害物は、霜溜まりを作りやすいので除去します。例えば、園地周囲の防風ネットが冷気の流れをせき止めるような場合は、巻き上げておくか除去します。

 低温層の発生位置をできるだけ低くするため、マルチを除去し草刈り等で清耕状態にします。

イ 燃焼法による防止

 降霜は、数日間連続することが多いので、燃焼法で対応可能な園地では、燃料を十分準備しておきます。令和3年度の使用時期は、最も早くて4月6日、回数は低温降霜が少なかった地域でも2~3回は実施する必要がありました。燃焼法は一定コスト(30,000円/10a程度)がかかるため、令和3年度被害が多かった圃場では、低温になりやすい場所など地形も考慮して設置するなどの配慮が必要です。

【例】市販の防霜資材、灯油、霜カット等

 火点数は概ね40カ所/10a以上を確保し、風上側に多く配置します。着火は気温が0℃になる直前に行います(表2)。

 なお、灯油にせん定枝チップを混用した燃焼法も効果的であり、灯油をそのまま燃焼させたときと比較し、黒煙の発煙量が少なく、燃焼時間も長くなります。また、点火性も良く、資材費等の面からも有効で、1.5mの高さで2~4℃の気温上昇が期待できますので、参考にしてください。

表2 資材別燃焼法の特徴(福島県)

ウ 防霜ファンの準備

 防霜ファンを設置している園地では、動作の確認、始動温度(2℃)の確認をしておきます。

オ 散水氷結法

 畑地かんがい施設が整備されている地域では、スプリンクラーかん水による散水氷結法が可能ですので、防霜ファン同様に始動温度の設定等を確認します。

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