農作物技術情報 第7号 花き(令和4年9月29日発行)

ページ番号2005689  更新日 令和6年3月13日

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タイトル

  • りんどう 花腐菌核病やアブラムシ類等の病害虫に注意し、防除を徹底しましょう。
  • 小ぎく 収穫後管理を徹底し、健全な伏せ込み苗・株を確保しましょう。
  • 共通 台風・強風に備え、ネットと支柱を点検、補強しましょう。

りんどう

1 生育概況

彼岸需要期向けの晩生種は、概ね需要期の出荷となりました。現在、極晩生種の出荷が始まっています。
病害虫の発生状況については、病害では、葉枯病や黒斑病の発生が多くなっています。花腐菌核病は少なく抑えられています。また、一部地域で褐斑病の発生がみられています。
害虫では、ハダニ類、リンドウホソハマキ、オオタバコガの発生がみられます。

2 台風対策

例年10 月は台風の発生が多い時期となりますので、今後とも気象情報を確認し状況に応じて排水対策、施設の保守点検など事前事後対策を徹底してください。技術対策の詳細については、9月16 日発行の「号外 台風対策」を参照してください。

3 栽培管理

(1)残花処理
病害虫防除等を目的として、収穫後圃場の花茎除去(花の着いている茎の部分の折り取り)を行います。この作業は、花腐菌核病の防除対策として特に有効です。
(2)茎の除去(株の刈り払い)
刃物を使って茎の除去作業を行う場合は、ウイルス病の感染を防ぐため、完全に枯れてから行います。極晩生品種では、冬まで株元の茎が枯れずに残る場合がありますので、その際は枯れた部分まで刈り払い、翌春に残った茎を除去します。
手作業で行う場合も、枯れていない茎を無理やり株元から折り取ると株を傷める可能性がありますので、折り取りやすい位置で除去し、残茎は翌春に除去します。
また、除去した茎は病害虫の越冬場所となることがあるため、圃場内に放置せず、必ず圃場外で処分します。
(3)除草
秋の除草が翌春の雑草の発生程度に大きく影響します。圃場周囲も含めて除草を行います。

4 病害虫防除

今後も引き続き注意が必要な病害虫は、病害では花腐菌核病、黒斑病、葉枯病、害虫ではアブラムシ類となりますので継続して防除を行います。アブラムシ類は、気温の低下に伴い花から越冬芽周辺に移動してきますので、薬剤散布は株元にもしっかりと薬液がかかるようにします。
併せて、収穫が終了した圃場や今年新植した圃場の防除も継続して行います。

写真1:越冬芽周辺に寄生したアブラムシ類

小ぎく

1 生育概況

9月咲き品種の開花は、一部地域で遅れがみられましたが、概ね彼岸需要期の出荷となりました。
病害虫の発生状況については、病害では白さび病やべと病の発生がみられています。また、害虫では、アブラムシ類が増加傾向にあるほか、ハダニ類、アザミウマ類、オオタバコガの発生がみられます。

2 台風対策

りんどうと同様に事前・事後対策に留意します。

3 栽培管理

(1)かき芽苗伏せ込み
株元から発生した側芽(かき芽)を利用して伏せ込む場合は、冬至芽や株伏せ込みよりも早く作業を行います。元株から発根したかき芽を採りますが、株に病害虫の発生がないことを必ず確認します。特に、本畑で白さび病またはべと病が発生した場合は、細心の注意を払います。準備するかき芽苗の本数は、定植予定株数の2~3割とします。

写真2:株からかき取ったかき芽苗

(2)伏せ込み床の準備
かき芽苗で伏せ込む場合、作業が遅くなるほど活着も遅れますので、速やかに伏せ込み床を準備します。排水の悪いハウスでは、平畝ではなく10~15cm 程度の高畝とします。
なお、長年の伏せ込み床使用によって肥料成分が土壌中に過剰蓄積し(塩類集積)、根が障害を起こして生育不良となる事例がみられます。このような状況が確認される場合は、積極的に土壌診断を受診して処方箋に基づいた適正施肥を行います。

写真3:塩類集積による伏せ込み株の生育不良

(3)台刈り
この時期、収穫後の株元から伸長した茎が再び開花して、そこにアブラムシ類やアザミウマ類が多発する事例がみられます。伏せ込み作業まで期間がある場合は、過繁茂対策を兼ねて地際から20cm 程度を残し着花部分を中心に台刈りします。刈り取った茎葉は圃場内に放置せず、必ず圃場外で処分します。

4 病害虫防除

伏せ込み株からハウス内に病害虫を持ち込まないよう、収穫終了後も伏せ込みまでは継続して白さび病、アブラムシ類、アザミウマ類などの防除を実施します。

最後

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農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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