号外 大雨事後対策(令和4年8月5日発行)

ページ番号2005498  更新日 令和4年8月5日

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たいとる

8月3日の大雨により、圃場への浸冠水や湿害の発生、土砂流入など農作物への被害が発生しています。
被害が拡大しないよう、排水対策や病害対策を中心に作目や圃場の状況に応じて適切な対策を講じてください。

農作業安全

事後対策等は安全を確認してから!

(1)被害確認のための圃場の見回りや事後対策を実施する際は、河川の増水中や圃場が浸水している時は危険なので近づかないでください。また、土砂崩れなどの恐れがある場所へは、安全が確保されるまでは立ち入らないでください。
(2)圃場に入る際には、作業道等がぬかるみ、路肩が崩れやすくなっていることが考えられます。農業機械が横転する危険がありますので、作業時には十分に注意してください。
(3)圃場に土砂等が流入した場合は、速やかに排除することが望ましいですが、重機等による工事が必要な場合がありますので、無理な作業は行わず関係機関に相談してください。

水稲

速やかな排水と圃場管理を万全に!!

(1) 県内の水稲は出穂期に入っており、冠水の被害を受けやすい時期です。冠水時間が長いほど減収程度が大きくなるため、葉が水面に出るよう、速やかな排水に努めます。
また、濁水が流入した圃場や、高温で水温が上昇した場合は、水の入替えを行います。
(2) 冠水した稲は水分を消耗しやすいため、湛水管理とします。登熟期間の高温が予想されるため、積極的に水の入れ替え(夜間かんがい)を行い、水温・地温の引き下げと根の健全化を図ります。
(3)冠水した稲体は、いもち病に感染しやすくなります。本年は葉いもちの発生が多く、穂いもちが多くなることも懸念されますので、予防粒剤を散布した圃場であっても、退水後ただちに茎葉散布による防除を実施します。
(4)圃場の排水口・排水路にゴミなどが詰まった場合は、安全な立入りが可能となったことを確認した後、排水設備を点検し、機能復旧に努めます。
(5)圃場内にある流木や瓦礫・土砂などの漂着物は、収穫作業などに支障をきたすため、退水後、できるだけ速やかに取り除きます。なお、大量の土砂流入・畦畔崩落がある水田では、無理な作業はせず、関係機関に相談したうえで対応してください。

大豆

排水対策と病害防除を十分に!

(1)圃場が浸水、あるいは冠水した場合は、一刻も早く排水する必要があります。圃場内のゴミ等を除去して、土壌表面水の速やかな排水に努めてください。
(2)根の健全化を図るために、圃場表面が乾いてから畦間を浅く中耕したり、乗用管理機でうね間を走行するなどして、根圏に酸素を供給します。作業は、圃場に入れるかを確認してから慎重に行ってください。
(3)現在、開花期を迎えています。冠水や多湿によって紫斑病が発生しやすくなりますので、防除適期となる開花期20日後から40日後頃に薬剤防除を行います。

野菜

排水対策等を早急に行い、草勢回復に努めてください

(1)停滞水を直ちに排水するとともに、茎葉や果実に付着した泥土を動力噴霧機等で洗い流してください。
(2)流入した土砂で作物が埋まった場合は、速やかに土砂の除去を行います。取り除けず、堆積した土砂がある場合は、硬くならないうちに中耕し通気性の向上を図りましょう。
(3)生育回復を図るため、被害葉や被害果、くず果の整理を早めに行ってください。また、整枝、誘引などの管理を徹底し、草勢の回復に努めてください。
(4)冠水や多湿によって病害(特に、べと病、疫病、軟腐病など)の発生が懸念されるので、品目ごとの使用基準に従い、殺菌剤を散布してください。
(5)圃場表面が乾いたら、畦間の中耕を行うなど土壌中に空気を送り、根の活性化に努めてください。
(6)障害や生育状況に応じて、液肥の葉面散布など追肥を行い、草勢の回復に努めてください。
(7)土砂が流入した圃場では、流入した土砂の影響でpH、ECが変化する場合がありますので、堆積した土砂の層の厚さの調査や土壌診断を実施して、次作以降の施肥設計を検討してください。
(8)浸冠水や土に埋没するなどして、回復の見込みのない場合は直ちに整理し、代替野菜の作付を検討してください。秋野菜では、はくさい、だいこん、かぶ、つけな類等があげられます。は種限界の目安は次のとおりですので参考にしてください。
はくさい:8月中旬
だいこん:8月下旬
かぶ:9月下旬
つけな類・中国野菜:9月下旬

花き

排水対策と事後の栽培管理を速やかに!!

(1)滞水している圃場は、溝切りなどにより速やかに排水を促します。特に、きく類は過湿の影響を受けやすいので、早急に作業を行います。
(2)株が倒伏・傾倒した場合は、時間が経過するほど茎の曲がりが戻りにくくなるので、直ちに株を立て起こします。併せて、支柱やネットの緩みを修復します。
(3)茎葉の折損や損傷のひどい部分は除去します。また、茎葉に付着した泥土は、動力噴霧機等で洗い流し、病害の発生を防ぐため、殺菌剤を散布します。
(4)草勢が弱った場合は、液肥の葉面散布等により回復を図ります。

果樹

被害の軽減に努めましょう

(1)滞水した圃場は溝を切るなどして排水に努めます。
(2)枝にごみが絡まったり、果実に泥が付着した場合は直ちに除去するとともに、果実敗性病害や斑点落葉病・褐斑病等を防止するために殺菌剤を散布して感染を予防します。また、果実に腐敗等が確認された場合は速やかに取り除きます。
(3)流入した土砂が少ない場合は、土が乾き機械等が入れるようになってから中耕します。
(4)樹体が斜めに傾いたり横になった場合は、そのまま不用意に引き起こすと残っていた根を切ることになるので、倒れた側からスコップで少し掘り下げるなど、注意深く戻します。

畜産

圃場の排水対策と畜舎内の衛生管理を徹底しましょう

(1)牧草

  • 滞水等がみられる圃場は、溝を切るなどして速やかな排水に努めます。
  • 二番草の収穫は圃場が乾いてから行います。牧草に土が付着した状態で収穫しサイレージに調製する場合は、不良発酵が起きやすいので調製時に添加剤を使用します。
  • 土砂が流入して牧草が枯死し今後の収穫が見込めない場合は、牧草の播種適期を逃さないよう、8月下旬から9月下旬を目安に播種し、次年度の粗飼料を確保します。草地更新で除草剤の播種同日処理を行う場合は、8月中旬までに播種床を準備します。

(2)飼料用とうもろこし

  • 滞水等がみられる圃場は、溝を切るなどして速やかな排水に努めます。
  • 軽度な倒伏は、株の立ち上がりが期待できるので回復を待ちます。土の混入による不良発酵を防ぐため、収穫時は刈取りの高さを高くし添加剤を使用します。
  • 土砂が流入して飼料用とうもろこしが枯死し収穫が見込めない場合は、枯死株をプラウとデイスクハロー等で圃場にすき込み、8月下旬から9月下旬を目安に牧草やイタリアンライグラスを、9月中旬を目安にライ麦を播種して次年度の粗飼料を確保します。

(3)畜舎等

  • 畜舎内に浸水や雨漏りがあった場合は高温多湿となり不衛生 に なるので、畜舎とその周辺の排水を徹底します。また、排泄物や汚れた敷料の除去、新しい敷料の投入、空気の入れ替え等による乾燥、牛床等への消石灰散布 による消毒等を実施します。
  • 停電になった場合は、通電後に搾乳機器の確認を行います。また、給水・給餌機等の動作に異常がないか確認します。
  • 停電で搾乳が大幅に遅れた場合は、前搾り乳の凝固物(ブツ)の有無を確認します。乳房炎が疑われる場合はクオーターミルカで搾り分けするとともに、体調の変化も併せて確認し、異常時は獣医師の診察を受けます。

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このページに関するお問い合わせ

農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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