農作物技術情報 第1号 畜産(令和4年3月17日発行)

ページ番号2004955  更新日 令和4年3月16日

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タイトル

  • 春先に牧草地へ堆肥やスラリーを施用する場合は、早めに散布しましょう。
  • 1番草の収量を確保するために、追肥作業は早めに行いましょう。

牧草

(1)堆肥等の散布

化成肥料の一部代替のため、春先に堆肥やスラリーを散布する場合は、収穫した1番草の堆肥等の混入による不良発酵を防止するため、大量散布は控えるとともにできるだけ早い時期に散布します。早めの散布は、堆肥やスラリーの分解を促しますので、遅くとも4 月中旬には散布を終えるようにします。
また、堆肥は切り返し等により腐熟が進んだものを散布します。散布後、草地に堆肥の塊が見られる場合は、パスチャーハロー等をかけて堆肥を砕き散らします。

写真1

(2)早春に施肥を行う重要性

イネ科牧草の1番草が生育する時期は、生育期間中で最も旺盛に成長し(スプリングフラッシュ)、生産量も多い時期です。年間収量でみると、1番草は年間の4~5割を占めます(図1)。
スプリングフラッシュは、牧草の出穂という生殖成長により起きるもので、越冬したイネ科牧草の茎は出穂のための条件が整っていて、栄養分が十分にある場合にこの現象が起きます。
スプリングフラッシュ時に収量を増加させるためには、窒素肥料が重要であり、春早くから窒素を十分に吸収していれば、順調に出穂し多収となります。出穂茎は、穂を支えるために丈夫に育つため、穂のない茎よりも重さが6~7倍になると言われています。

図1

(3)早春施肥

イネ科牧草は平均気温5℃から生育を開始し、出穂は萌芽期からの気温と日照時間で決まります。このため、施肥時期を遅らせても出穂期を遅らせることはできません。
春の施肥遅れは、遅れた分だけ牧草の生長が妨げられることから、草地を見回り萌芽を確認し、圃場にトラクタが入れるようになったら、ただちに施肥を行って1 番草の収量を確保します。早春の施肥は、速効性のある化学肥料を中心に行います。

表1

最後

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