《野菜》剪定鋏を経由した伝染を防ぐための消毒法について

ページ番号2001729  更新日 平成21年7月29日

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質問内容:

《これは2002年6月の相談です》
トマトのイチョウ病の被害が出た株を鋏で剪定をした場合に、その剪定した枝に内側にも茶色に茎の中を枯れた色の部分があって、その枝を鋏で剪定し、次に無病の株をその鋏を使った場合、被病株になるような気がします。それらの鋏を殺菌すればどうかなと思いますが、もし効果のある薬なり資材があれば教えてほしいです。
トマトにかぎらずに他の作物についてもおこりそうなので参考までに。

回答:

「トマトのイチョウ病」とのことですが、トマトに「萎ちょう症状」を示す病害は数種類が知られています。
そのうち岩手県で発生が見られるのは以下の4種類です。
1 かいよう病
2 萎ちょう病
3 半身萎ちょう病
4 青枯病
このうち1番の「かいよう病」と4番の「青枯病」は病原体がバクテリア(細菌)ですが、後はフザリウムなどかびの一種です。また、岩手県では「かいよう病」、「萎ちょう病」、「青枯病」の3種類が発生のほとんどを占めています。
これらの病気は症状が類似しており、症状だけで判断できない場合には、茎汁液を「選択培地」にこすりつけ培養し、培地上に形成されるコロニーにより判断しております。
さて、これらの病気にのなかで鋏によって伝染するのは「かいよう病」と「青枯病」です。青森県のデータでは鋏を使うことにより3〜4週間で隣の株に伝染することが報告されています。このような現象が起こると連続した株が萎ちょう症状を示すことになります。
したがって、これを防ぐためには病気の株専用の鋏を使うか、鋏を消毒しながら使うかどちらかの方法をとる必要があります。
消毒については、鋏を使うごとに炎で焼いて高熱処理するか、エチルアルコールに30分以上浸すことが考えられますが、これはかなり困難な方法で実用的ではありません。
現実的には萎ちょう症状が見られる株は早めに抜き取ることをおすすめします。
なお、鋏で感染する病気については他にピーマンやきゅうりのウイルス病(CMV:キュウリモザイクウイルス)などが知られています。

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