《水稲》もち米のハゼが悪い原因について

ページ番号2000249  更新日 平成21年7月29日

印刷大きな文字で印刷

質問内容

《これは2006年12月の相談です》
普通もち米は白いものですが、今年(2006年)はうるち米のように半透明なものと白いものとが混ざりあった出来となりました。冷夏でもなかったのに。
又ほんとうにうるち米と混ぜたわけでもありません。食べれば間違いなく旨いもち米です。品種はヒメノモチで、購入したものでした。
白くならなかった原因を教えてください。
 

回答

どの程度もち米が白くならなかったのかは、お問い合わせの文章だけではわかりかねますが、もち米が白くならない(ハゼが悪い)という現象に関しては、他の要因もあろうかとは思いますが以下に2つの要因について述べてみます。
1.一つ目は乾燥が不十分な場合です。
ヒメノモチそのものが他のもち品種に比べてハゼが悪いといわれることもしばしば耳にしますが、もち米は乾燥が不十分だとハゼが悪くなるのが一般的です。
水分を15%に仕上げたとしても未ハゼ粒が残る、北海道品種では13%台でも未ハゼ粒が残るような試験事例もあるようです。
ただし、時間をおけば次第に玄米の乾燥も進み、大体の粒がハゼてくるのが一般的です。
この要因の場合には、もちそのものの形質は変わりありません。

2.もう一つ目は、もち米そのものの形質が変わる場合です。
調製段階でうるち粒の混入はなかったとのことでしたが、自然界では自然交雑や突然変異により、もち米の形質からうるち米の形質に変化することがあります。このような自然交雑粒や突然変異粒はハゼることはありません。
特に、もち米の作付け圃場周辺にうるち品種が生産されている場合で、もち、うるち品種の出穂期が近く、かつ圃場間の距離が短い場合には、うるち品種の花粉がもち品種に飛んできて受精が起こり、結果としてうるち品種の形質となることからハゼないという自然交雑(キセニア)現象が見られます。
ヒメノモチに関する事例では、うるち品種との出穂期の差が8日以内であればキセニア粒の発生がみられ、出穂期が完全に重なった場合は最もキセニア粒の混入が高まるという試験事例も報告されています。
本年(2006年)は、7月の低温、8月に入ってからの急激な高温により、いつもなら品種間の出穂期に差があったものが、本年はほとんどなくなるような事例が見られています。このようなことからうるち品種との自然交雑が起こったことも考えられます。
上述のとおり、1についてはもち形質、2についてはうるち形質になりますので、薄めたヨードチンキなどで染めれば、もち米かうるち米かは判別できます。
(もち米は赤紫色に、うるち米は濃紫色に染まります)

このページに関するお問い合わせ

農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
〒024-0003 北上市成田20-1
電話番号:0197-68-4435 ファクス番号:0197-71-1088
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。