《畑作物》水稲と農機を共用できる生産性の良い転作作物について

ページ番号2000256  更新日 平成21年7月29日

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質問内容

《これは2006年9月の相談です》
現在転作作物として麦を大規模に作付けしておりますが 連作障害等で生産性がよくなく経営を圧迫しております。
別の作物を考えておりますが、水稲と共用機械で対応できて、生産性のよい作物があったら教えて下さい。
 

回答

水稲と共用機械で対応できるものは小麦の他にヒエやアワなどの雑穀もありますが、雑穀は使用できる農薬がほとんどないうえ、栽培管理が難しく、大面積を考えるとやはり小麦栽培が一番と思います。
ところで連作障害とは具体的になんでしょうか?
一般的には地力の低下による減収や縞萎縮病(しまいしゅくびょう)による生育量の低下が考えられます。
生育が良くないと雑草が繁茂し、小麦がますます小さくなってしまうという悪循環も起きてきます。
岩手県の気象条件では収穫時に雨にあたるなど、確かに小麦の栽培が難しい部分もありますが、良いものが絶対できないというわけではありません。
一般的な対応策としては下記のような事があげられます。
1.まず小麦を作付けする圃場を選定する。
(排水条件の良い圃場を選んで作りやすいところだけに小麦を作るというのはどうでしょう。どうしても全部作付けしなければならないのですか?)
2.萎縮病が出ているのであれば冬期播種(12月に入ってから播種量15kg/10a、側条同時施肥であれば窒素成分8kg/10aで行う。全面施肥であれば融雪後窒素成分10kg/10aを施肥。)あるいはナンブコムギで出やすい病気であるため、品種を変えるという方法があります。
また萎縮病にかかっても、融雪後早くに追肥することで、ある程度生育が回復することがわかっています。
3.播種量は適期を1週間すぎるごとに1割増しにします。
11月に入ってからは播種せず、12月に入ってから冬期播種にします。
中途半端な播種が一番よくないからです。
4.除草剤ですが、遅れてから散布するのは無駄になります。
雑草が出ていない状況で土壌処理剤を散布するか、春先早く、草が小さい内に生育期に使える除草剤を散布します。
5.地力を保つためには堆肥や緑肥などで補ってやらなければなりませんが、水稲とのローテーションを組めるのであれば稲わらの鋤込みなどができますし、雑草対策の一つにもなります。
ただし、萎縮病は代掻きすると圃場にまんべんなく広がりますので注意しましょう。

大規模に小麦栽培を行っておられるようですが個人の受託でしょうか?担い手組織でしょうか?
いずれ生産性が良くない原因を考えてみて、もう一度チャレンジしてみませんか。生産性の低い原因を詳しくお聞きすれば、もっと具体的に提案できると思います。

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