《大船渡》人物紹介「釜石地方伝統の秋の味「甲子柿」を召し上がれ 釜石市 佐野朋彦さん」
令和3年に地理的表示(GI)保護制度に登録されて以降、知名度も人気も急上昇の「甲子柿」を作る佐野朋彦さんを紹介します。
佐野さんは釜石市出身で高校卒業後に東京で美容師として働いていましたが、27歳で帰郷し市内の会社に勤めました。平成23年に「甲子柿」を作る祖父が体調を崩したため、会社勤めの傍ら母親と祖父を手伝い、「甲子柿」作りに携わるようになりました。
「甲子柿」は渋柿ですが、10月に収穫して室(むろ)の中で1週間程度煙で燻すという伝統的な製法で作られます。柿の形を残し、トロッとした果肉と濃厚な甘みが特徴です。
佐野さんが「甲子柿」作りを手掛けた当初は、室の温度や湿度を一定に保つのが難しく、柿のほとんどがカビたり、割れたりと大変な苦労をしたそうです。その後、祖父だけでなく、甲子柿の里生産組合の先輩方から技術を教えてもらい、自身も燻蒸に使う木材の割合で試行錯誤を重ね、箱や包装紙など梱包方法を工夫し、安定して生産できるようになりました。
佐野さんにお話を伺うと、「若い世代の方にも広く受け入れてもらえるよう、煙が柿に触れる量を抑えて燻し、フルーティーでやや硬い食感に仕上げるよう心がけている。」とのこと。また、「釜石市と甲子柿の里生産組合が連携してPRに力を入れており、各種イベントや道の駅仙人峠での販売を通じて、地域伝統の味を幅広い世代に味わってもらいたい」と話し、「甲子柿」への熱い思いが感じられました。
「甲子柿」作りを行う10月中旬から11月末は、午前3時頃から始まる室の管理や出荷作業で寝不足になるという苦労を語ってくれた佐野さん。令和6年も手塩にかけて作った伝統の「甲子柿」を、是非ともご賞味ください。



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