《二戸》人物紹介「二戸市期待のりんごの星！！中村太耀さん」

　古くからのりんご産地である二戸市舌崎地区の新規就農者、中村太耀さんを紹介します。この日は贈答りんごの発送作業でお忙しいところ、快く取材を引き受けてくださいました。　

　太耀さんは実家がりんご農家で、子どもの頃からりんごの作業を手伝ってきたこともあり将来はいつか農業を継ぎたいと考え、高校卒業後は岩手県立農業大学校の果樹経営科に進み、果樹栽培の基本を学びました。学生時代の思い出と言えば、毎年秋に開催される農大祭。みんなで育てた様々な種類のりんご、ぶどうやアップルパイなどの加工品の販売がとても楽しかったとのことです。（当時の担任の先生曰く、「誰からも好かれる人柄を活かし、農大祭では見事な接客力で驚異的な売り上げを記録した」そうです。）現在も農協への出荷、産直での販売の他に、直接家（農園）にりんごを買いに来てくれるお客様も多いので、お客様とのコミュニケーションがとても大事であり、農大祭の経験が今でも役に立っているとのことでした。

　卒業後、実際に就農してみて就農前のイメージと違ったことを聞くと、もっとマイペースで仕事をできると思っていたとのこと。学校では、決まったカリキュラムによって管理作業が進みましたが、実際の農業では、天候の影響や急な予定が入ることで、思うように作業が進まないことが多々あり、もっと余裕をもって作業する必要性を痛感したとのことです。

　二戸のよいところは？との問いには、「何もないと言えばないですが、落ち着いているところが自分には合っているかも。」とのこと。（いや、二戸にはたくさんいいところがあるので、きっといつか気づくと思います。筆者は、舌崎から見上げる蓑ヶ坂(みのがさか)だけでもいつも圧倒されています。）若い農家や地域の同年代の人が思ったより少なかったとのことですが、将来の後継者として就農している友人が多いようですので、ぜひ、仲間を増やして、二戸地域を盛り立てていただきたいところです。

　将来の夢としては、「まずは基本技術を磨き、収量、収入を安定させること。それがきっと大好きな地域への貢献にもなると思います。」と、力強く語ってくださいました。