「銀河のしずく」の高品質安定生産に向けて ~二戸地域~

ページ番号2006968  更新日 令和6年3月13日

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田んぼ様子

銀河のしずくとは

 「銀河のしずく」は、岩手県農業研究センターが約 十年の歳月をかけて育成した水稲品種で、平成二十七年に県の奨励品種として採用され、翌年の平成二十八年には一般栽培が開始されました。また、「銀河のしずく」は、全国トップクラスの品質、食味を目指し、栽培適地の指定や作付経営体の登録を行っており、岩手県が育成したオリジナル水稲品種としては初めて、米の食味ランキングで最高評価の「特A」を獲得しています。

『「銀河のしずく」頂上コンテスト』表彰式の様子
『「銀河のしずく」頂上コンテスト』表彰式

地域の動きと課題

 平成二十七年に一般栽培が開始された「銀河のしずく」ですが、二戸地域では、四年遅い令和二年度から、栽培が開始されることとなりました。「銀河のしずく」は、冷涼な二戸地域でも作付けができる、待望の新品種でしたが、集荷時の玄米タンパク質含有率6.3%以下(水分15%換算)等の品質基準が設けられており、全ての基準をクリアし、出荷するためにも栽培管理を徹底させる必要がありました。

課題解決へ向けた取組

 二戸管内では、徹底した栽培管理を行うため、JA新いわて二戸地域稲作生産部会銀河のしずく研究会(以下、「研究会」という)を設置し、研究会が主体となり、関係機関・団体と連携して活動に取り組んでいます。活動は、「銀河のしずく」は、二戸管内で作付けされている「いわてっこ」等の主食用米よりも育苗時に徒長しやすい特徴をもつほか、集荷時の玄米タンパク質含有率基準等が設けられていることから、育苗巡回(五月)や簡易栄養診断に基づく追肥の要否判定(七月)を行い、生育状況の把握や玄米タンパク質含有率を上昇させない管理に努めました。

 また、研究会創設当時からモデルほ場を設置し、生育調査をとおして得られたデータ等をもとに、栽培管理にかかる指導会を実施しました。

 加えて、収穫遅れが外観品質や食味スコアの低下につながることから、刈取り適期の目合わせを目的とした収穫前指導会も実施し、育苗から収穫まで徹底した栽培管理を行いました。

 そのほか、令和二、三年度には研究会全員で岩手県版GAPの確認登録を受けるなど、県産農産物への信頼向上に向けた活動も行っています。

育苗中の「銀河のしずく」の様子
育苗中の「銀河のしずく」

取組の成果

 前述した活動により、研究会員が高品質安定生産の実現に向け、栽培管理を徹底した結果、令和二年から令和四年まで研究会全員が品質基準(玄米タンパク含有率6.3%以下)を達成し、一等米比率は100%となりました。

 また、二戸管内の作付け面積は令和四年度には令和二年度の5.3倍の2.4ヘクタール、会員は2.6倍の21名となり、年々栽培規模は拡大しています。

 特に、「銀河のしずく」の品質・食味を競う、『令和四年度「銀河のしずく」頂上コンテスト』においては、二戸管内研究会員全員がコンテストに出品した結果、7名が上位入賞(2位1名、3位3名、10位以内3名)を果たしました。この結果から、二戸地域は高品質な「銀河のしずく」生産地として周知されるとともに、生産者、関係機関・団体の期待感もより高まるものとなりました。

二戸地域「銀河のしずく」の栽培規模の推移のグラフ
二戸地域「銀河のしずく」の栽培規模の推移

今後の取組

 令和五年度の二戸管内の「銀河のしずく」の栽培規模は、面積が令和四年度の約1.8倍、研究会員数が約2.3倍と依然として増加傾向にあることから、令和五年度においても、育苗巡回や刈取り前指導会を実施することとしています。

 二戸農業改良普及センターでは、引き続き研究会、JA新いわて二戸営農経済センター等の関係機関・団体と連携し、栽培技術の向上に努めていくとともに、新規栽培者へのフォローアップを行い、「銀河のしずく」の高品質安定生産へ向けて活動して参ります。 

(文:二戸農業改良普及センター)

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