《盛岡》 対策前の2倍の牧草収量を確保!~新たなシカ被害対策を考案し、現地実証中~
盛岡農業改良普及センターは、玉山地域の牧草地のシカ食害が深刻だったことを受け、関係各所と連携して令和5年度からシカ被害の新たな対策の実証を行っています。
これまでのシカ被害対策では電気柵を用いていましたが、広大な牧草地では漏電防止のための下草管理等に時間がかかるため、設置後の管理時間を削減させる方法の検討が課題でした。そこで、当センターでは、電気柵に代わる対策として、ホームセンター等で低価格で購入できるワイヤーメッシュ(溶接金網)を高さ、奥行が各1mとなるようにL字型に折り曲げたものを連結させ、箱型にしたものを立体柵として牧草地に設置することで、侵入を防ぐという方法を考案しました。出来上がった立体柵は高さに加え、奥行もあるため、シカに「飛び越えるのは困難」と認識させることを狙っています。
この柵を昨年11月に設置し、侵入防止効果の調査を行っています。設置後9か月経過した現在でも、シカの侵入は見られず、今年の1番草は、未設置の場所と比較して2倍の収量を確保でき、実証協力農家からは喜びの声が聴かれています。こうした結果を8月20日に開催した現地見学会で、関係機関等に広く紹介しました。
普及センターでは、今後、立体柵の耐久性やシカの侵入防止効果を継続して調査するとともに、普及に向けた取組を進めていく予定です。
ワイヤーメッシュ立体柵で囲われた外周約500mの圃場。
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盛岡農業改良普及センター
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