《宮古》人物紹介『伊藤壽雄さん 震災復旧農地を守る稲作農家』
宮古市津軽石の伊藤壽雄さん(70歳)を紹介します。
壽雄さんは宮古市の津軽石、赤前地区で高品質な米生産に励む稲作農家です。もとは父の稲作を手伝いつつ、秋は地域の稲刈り作業受託、冬は灯油の配達員をやっていた壽雄さんは、2008年に経営を移譲され、本格的に稲作を始めました。
当初は2ha程の栽培でしたが、作付け希望者が激減した赤前地区の震災復旧農地の担い手となり、現在は10ha程の栽培面積となっています。壽雄さんは、「最初はこんなにやるつもりではなかったのだけど…」と当時を振り返っていましたが、地域の農地を守りたいという思いを原動力に、高密度播種苗栽培や省力畦畔管理技術等の新しい技術にチャレンジし、今では安定して高品質なお米を生産できています。
栽培品種は「あきたこまち」(学校給食向け)と県オリジナル品種「銀河のしずく」で、いずれも高品質・良食味が自慢です。特に、震災復旧農地で作った「銀河のしずく」は、県の食味頂上コンテストで令和元年から3年連続で入賞(うち1回は3位入賞)するなど、厳しい条件にも関わらず、県内トップクラスの食味を維持しています。
また、現在は宮古地域の「銀河のしずく」栽培研究会の会長を務めています。研修会等では毎回、力強い挨拶でリーダーシップを発揮していただき、普及センターとしても壽雄さんの存在を心強く感じています。
令和3年度には、震災から10年の節目を迎え、壽雄さんが管理する復旧農地において、沿岸地域初となる「銀河のしずく」知事田植え・稲刈り行事も実施され、自慢の「銀河のしずく」を達増知事に贈呈しました。
これまでは、品質・食味を重視した栽培でしたが、今後は単収も両立できるように取り組んでいく計画の壽雄さん。震災復旧農地の「守護者」としてこれからも応援しています!


(文・宮古農業改良普及センター 小野)
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