≪一関≫（人物紹介）地域を担う若手酪農家熊谷正宏さん

　一関市室根町で酪農を経営している熊谷正宏さんをご紹介します。

　熊谷さんは、酪農家に生まれ、物心つくころから酪農が身近にある環境で育ち、岩手県立農業大学校へと進学し、酪農への知識を深めてきました。　　　

　在学中から、岩手県内の酪農家でアルバイトをする等自身の見聞を広め、早くから経験を積んできました。在学中に人工授精師の免許や、大型トラクターの免許を取得し、即戦力として地元に戻ってきました。管内の酪農家にてさらに経験を積み、現在はご両親とともに酪農を営んでいます。

　就農後、初めは昔ながらの牛舎で作業をしていました。しかし、作業効率が悪く、堆肥搬出等も人力で行っていたため、両親の今後の体力等も考慮して、平成20年には新しい牛舎を建設しました。作業効率がよくなり飼養牛の管理に集中できるようになったため、搾乳作業を見直し、今まで実習先等で学んだ多くの経験を活かし、自身の経営にあった形を見つけ、取り組んでいます。乳質が悪くならないよう牛の体調管理に気を付けている他、乳質が悪い牛については乳汁を検査し、原因が何か調べ、対策を行ってきました。その成果もあり、乳質は安定し、管内の高品質な生乳生産に貢献しています。

　管内では「I.W.G.P（Iwai Well-farm Guidance Project）」という若手酪農家グループが精力的に活動を行っています。熊谷さんもその一員として、視察や勉強会、研修会等へ積極的に参加し、自身の経営改善に向け、管内の先輩農家との交流を深めています。コロナウイルスの感染拡大によりグループ活動も自粛が余儀なくされていましたが、前年から徐々に活動を再開し、活気のある活動が行われています。酪農経営は昨今の資材・飼料高騰に伴い、厳しい状況に置かれていますが、今後も地域の担い手として、管内の酪農経営を引っ張っていってほしいです。

（文：一関農業改良普及センター）