《中部》産直記事　～地域の皆が笑顔で集い、地元に住んで良かったと思える店にしたい～小山田スーパーおっほ(花巻市)

設置のきっかけ

　花巻市東和町小山田の主要地方道盛岡大迫東和線沿いにある、「小山田スーパーおっほ」を紹介します。ロゴマークの梟（ふくろう：おっほ）が描かれている看板が目印です。

　小山田で長年にわたって地域の暮らしの中に位置づけられていた唯一のスーパー（Aコープ）が令和2年8月に閉店となった後、高齢で1人暮らしの人や車を持たない世帯の人などから、買い物に不便で困っているという声が出ていました。地元有志により、まず「小山田店舗閉店後について検討するグループ」を設置し、地区の全世帯にアンケートを実施したところ、店が欲しいという声が多いことがわかりました。その結果を踏まえ、小山田に新たな店を設置しようという機運が高まり、中山間地域等直接支払い交付金の活用を検討し、新たな店の運営主体である「小山田ふるさと地域協議会」を令和3年4月に設立し、「小山田スーパーおっほ」が5月に開店しました。

店名とロゴマーク

　新たな店を開店するにあたり、地域の店として愛されるように小山田の人達に名称を公募し、「小山田スーパー」と名付けることを決定しました。さらに小山田ではごく身近に存在し、地域の人達からとても親しまれている梟（ふくろう）の愛称「おっほ」を店名にすることにしました。

　ロゴマークは、東和町小山田在住の高頭翼（たかとうたすく：著書「農家メシ」の作者）さんの制作です。背面に小山田をイメージする緑豊かな山を、前面の右手に大きな目の特徴の愛らしい梟（ふくろう：おっほ）が描かれ、小山田の地域住民を温めるという熱い思いがオレンジ色の字で描かれています。

地域に愛される店に

　店内には、農作業のこびるのパン、飲み物、アイスクリーム、孫のおやつの菓子、調味料、のし袋等もあり、小山田の人達から重宝がられています。ジュースを買いに来た人は、「東和町の中心地のスーパーにも行くけど、この店で買うことも多いね」と話していました。店長とレジ係は、小山田の人達が必要な商品を並べられるようにいつも考えています。今日は、夏野菜の漬物の素をどんなものを仕入れるかを決めました。

　品ぞろえは、花巻市内産の卵、花巻市内の製パン会社のパン、花巻市内の乳製品会社のヨーグルト等、花巻市内の食品が多く並べられています。商品納入の時に、納品した販売員と店長とレジ係が商品について情報交換を行うなど、市内産の食品に力を入れています。

　産直農産物としては、5月に開店した頃は、多くの山菜が並べられていました。夏になった今は、ピーマン、トマト、きゅうりなどの野菜があります。野菜は限られた数量のため、早い者勝ちです。

　加工品は、きりせんしょなどの餅菓子や、みそつけおにぎりがあります。みそだいこんが入ったみそつけおにぎりに、れんこんや人参が入った千草焼きと自家製のきゅうり漬けで、お手頃な150円です。隣町から買いに来た人は「近いのでこれを買いに来ることが多い」と3個お買い求めでした。

　ししゅう布や巾着袋など、地区の人のハンドメイドの商品もあります。

 

皆が笑顔で集い、地元に住んで良かったと思える拠点にしたい

　店の入り口には、今、七夕の笹飾りがあり、店内に用意した短冊に、小山田の人達が願い事を書いて七夕飾りに結んでいます。子供たちの願い事が多いようです。

　7月からは、あやめ文庫を設置しています。花巻市立東和図書館から図書の貸し出しを受け、30冊ほどを店内に置いて、小山田の人達が利用できるようになりました。

　ロゴマークの梟（ふくろう：おっほ）は、「小山田の人達に末永く親しまれる店になる、小山田の人達の暮らしを守っていく」という願いが込められています。小山田スーパーおっほは、小山田地域全体を広く見まわして、地域の人達に心地よい風を届けていくことをめざしています。