農薬の短期暴露評価の導入により変更される農薬の使用方法について(平成26年9月25日発行)

ページ番号2000937  更新日 平成26年9月25日

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 農薬の登録にあたっては、これまで、残留農薬の摂取量について、一日摂取許容量(以下「ADI(注1)」という。)を超えなければ食品安全上問題ないものと判断されてきましたが、今般、急性参照用量(以下「ARfD(注2)」という。)を超えないかという点についても評価(以下「短期暴露評価」という。)されることとなりました。

 実際に、国民の健康保護を基本理念として中立的立場で食品のリスク評価を行う食品安全委員会において、本年2月に了承されたARfD設定の基本的考え方に基づき、すでにARfDの設定が開始されているところであり、今後は、登録されている農薬についても、順次ARfDの設定を受け短期暴露評価が実施されていくこととなります。その際、一度に多量に食べた場合の残留農薬の推定摂取量がARfDを超える農作物があれば、当該農薬については使用方法が変更されるとともに、残留基準値が見直されることとなります。

 農林水産省では、農薬製造者に対して、自ら短期暴露評価を実施し、登録を受けている農薬の使用方法を変更する必要があるか確認した上で、使用方法を変更する必要がある場合は、ARfDの設定や残留基準値の改定を待たずに、十分な時間的猶予をもって、変更の登録の申請をすることを要請しています。
しかしながら、十分な時間的猶予をもって変更登録の申請をすることができない場合も想定されるところであり、このような場合には、農薬販売者、使用者等に対して、変更後の使用方法を記載したチラシ等を用いて、情報を提供するとともに、変更の登録を受ける前であっても、変更後の使用方法に基づいて農薬を使用するよう注意喚起をすることを要請しています。

 つきましては、このような注意喚起が実施された場合には、以下についてご留意願います。

1. 農薬を使用する者は、変更の登録を受ける前であっても、容器に表示された使用方法ではなく、変更後の使用方法に基づいて農薬を使用すること
2. 農薬使用について指導に当たる関係機関・団体等は、変更の登録を受ける前であっても、変更後の使用方法に基づいて、防除指針等に反映するよう努め、かつ、生産者団体等が作成する防除暦の変更の指導等に努めること


注1 一日摂取許容量(ADI:acceptable daily intake)
ヒトがある物質を毎日一生涯にわたって摂取し続けても、現在の科学的知見からみて健康への悪影響がないとされる一日あたりの摂取量

注2 急性参照用量(ARfD:acute reference dose)
ヒトがある物質を24時間又はそれより短い時間に経口摂取した場合に健康に悪影響を示さないと推定される一日あたりの摂取量


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