出前講義で「南部かしわ」の魅力をPR ~ 日本大学との連携による南部かしわ振興

ページ番号2005081  更新日 令和4年5月17日

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 畜産研究所では、地域特産鶏として天然記念物「岩手地鶏」を交配し、本県オリジナル性の高い「南部かしわ」を作出し、生産者に雛を供給するとともに生産振興等に係る各種試験などを実施しています。

 さて、日本大学の食品ビジネス学科では、食品関連産業へ携わる人材育成を目的とし、食品マーケティング理論、食品の企画開発、フードコーディネート実習などを行っています。同学科の川手督也教授は、高品質な地域特産の農畜産物や加工品について、多面的な分析に基づき魅力解明や振興方策についての研究を行っており、本年度は、岩手県で育成された南部かしわを対象とした演習を実施する計画となっています。そこで当研究所では、川手教授から南部かしわの開発経緯の講義依頼を受けました。当日は、1時間ほどスライドで、地鶏の基礎知識及び南部かしわの開発経緯の説明を行い、南部かしわとブロイラーを比較するための調理実習を行いました。

 調理実習は、学生が献立を考え、自分達で食材を買い出し調理を行いました。後片付けまで含めると午後10時近くまでかかりましたが、最後まで学生達は、熱心に実習を行っていました。川手教授によると、「南部かしわ(地鶏肉)を焼いて調理すると、ブロイラーの2倍以上の飼育期間であるため、肉がしっかりとしており、あまり縮まない。一方、ブロイラーの肉は、縮み方が激しい」とのことです。学生達は、自ら調理し、それを実感し驚いていました。また、料理指導を行った黒川陽子先生は、上記のことから、「同じ鶏肉であってもブロイラーは縮み方がはげしいので、縮みを抑えるため焼く前に切込みを入れ、調理の仕方を変える必要がある」とお話をしていました。

 今後は、産地における生産者との交流や、南部かしわのレシピ集作成及び販売振興方策を計画しており、南部かしわの振興に役立てるつもりです。

  • 講義風景の写真

    「南部かしわ」の開発経緯の講義風景

  • 調理実習風景の写真

    調理実習風景

(畜産研究所家畜育種研究室 上席専門研究員 吉田 登)

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