いわて発「鉄コーティング表面点播検定法」でニーズに応える新品種を!
作物研究室・水稲育種チームでは、「銀河のしずく」、「金色の風」などのように食味を最重視した育種を行っています。近年、これに加え、中(なか)食・外食向け業務用米需要の高まりに応えるため、低コスト生産可能な多収稲の開発を行っています。その中で、今回は直播栽培に向く品種開発での検定方法を紹介します。
直播適応性検定は、催芽籾の土中条播または表面条播(すじ播き)で主に行われますが、当チームでは、鉄コーティング済種子を用いた表面点播での適応性検定を行っています。この検定法により、直播栽培で重視される苗立ち(芽の出やすさ)や倒れやすさ、生育ステージなどの諸特性について、生産現場に近い播種や栽培方法で、多くの系統を評価することが可能になりました。
当チームでは、現在開発中の系統に加えて、イノベーション創出強化研究推進事業「耐冷性やいもち病抵抗性を強化した東北オリジナル業務・加工用多収品種の開発」の支援を受け、宮城県古川農業試験場ならびに地方独立行政法人青森県産業技術センター農林総合研究所藤坂稲作部育成系統の直播適応性検定を併せて行っています。
「銀河のしずく」と「金色の風」の勢いに乗り、これからも「直播に向く」品種開発を進めていきます。
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播種風景
水に溶ける紙で種子を包んだものを播いています -
播種1ヶ月後の苗立ちの違い
(技術部作物研究室 主査専門研究員 小舘 琢磨)
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