泌乳量の平準化による乳牛の健全性及び生涯乳生産量の向上について
近年、乳用牛の供用期間は短縮傾向にあり(平成27年度の全国平均除籍産次3.4産)、これによる生涯生産乳量の減少が課題となっています。
これに対し、乾乳期間を短縮することで泌乳初期の過度な乳量増加が抑制されることが知られており、乳用牛の負担が軽減されることにより供用年数の延長等が期待されます。
しかし、その一方、乾乳期間短縮により乳量の減少も報告されており、特に初産-2産間の乾乳期の飼養管理方法の改善が求められています。
このことから家畜飼養・飼料研究室では、協定試験注)に参画して酪農家経営調査及び飼養試験を実施し、乳用牛の乾乳期の管理が泌乳量の平準化及び健全性に及ぼす影響について検討しており、将来の酪農経営に役立つ泌乳平準化乳用牛の飼料マニュアルを構築することを目標としています。
現在、乾乳期間に蛋白質及び栄養を強化した飼料を給与することで、乾乳期間短縮による乳量減少を防げないか検討中です。
注)本試験は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち人工知能未来農業創造プロジェクト)」の支援を受けて実施しています。
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泌乳曲線モデルの比較
両グラフの各産次の乳量は同等 -
飼養試験の様子
(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 専門研究員 髙橋 優希)
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