新規基幹種雄牛「菊勝久」&「平栄福」デビュー!
平成25年から県有種雄牛への道を歩き始めた「菊勝久」と「平栄福」がついに平成30年10月、本県の黒毛和種基幹種雄牛として華々しくデビューしました!
【菊勝久(きくかつひさ)】
「菊勝久」は、平成25年5月13日に一関市の伊東孝さん宅で、県の種雄牛造成のために選ばれたエリート牛(基礎雌牛)である母「きくまみ」と全国的に有名な父「安福久」との間に生まれました。
基幹種雄牛への長い道のりの入り口である直接検定選抜会では、良好な発育に加え、体の伸び、肋張りが美点とされ選抜となりました。直接検定成績や産肉能力の期待値が評価された「菊勝久」は、現場後代検定牛を選抜する会議をトップの得点で通過し、平成26年秋に現場検定調査牛を取得するための試験交配を実施し、平成28年度から当研究室を含む各農家で調査牛の肥育を開始しました。
検定成績は脂肪交雑、ロース芯面積で本県歴代最高を記録し、上物率は100%と、岩手の名牛「菊福秀」の持つ最高記録(93.3%)を塗り替えました。
【平栄福(ひらさかえふく)】
「平栄福」(当時「中平165」)は、平成25年5月14日に奥州市江刺の菊池民雄さん宅で、基礎雌牛である母「わしゅう2」と岩手の名牛「菊福秀」との間に生まれました。過去に同じ交配で生産された姉牛を肥育し、高い脂肪交雑(BMSNo.11)を記録しており、その能力に期待が高まりました。
直接検定選抜会では、良好な発育や皮膚のゆとりが美点とされ選抜。続く現場後代検定牛を選抜する会議では「菊勝久」と同様に多くの人から推薦され、第3位の得点で通過しました。
検定成績は、上物率88.2%と安定した脂肪交雑の能力を示し、また関係者からは購買者に好まれる「コザシ」(霜降りが細かい)が多く見られるとの声が上がりました。
「菊勝久」「平栄福」が基幹種雄牛に加わり、繁殖農家の皆様の選択の幅がさらに拡がりました。今後も県有種雄牛の活躍に御注目ください。
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「菊勝久(きくかつひさ)」の側貌
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「平栄福(ひらさかえふく)」の側貌
種雄牛名 (産地) |
父 母の父 祖母の父 |
検定成績 |
||||||||
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性別 |
検定 頭数 |
枝肉重量 (kg) |
ロース芯面積 (cm2) |
バラ厚 (cm) |
皮下脂肪厚 (cm) |
歩留基準値 (%) |
BMS No. |
上物率 A5率 |
||
菊勝久 |
安福久 |
去勢 |
10 |
537.2 |
65.9 |
9.1 |
2.6 |
75.0 |
8.1 |
100.0 45.0 |
雌 |
10 |
455.3 |
65.3 |
7.9 |
3.0 |
74.8 |
7.9 |
|||
平栄福 |
菊福秀 |
去勢 |
8 |
441.3 |
57.1 |
7.7 |
2.3 |
74.4 |
6.9 |
88.2 35.3 |
雌 |
9 |
421.3 |
57.2 |
7.8 |
2.5 |
74.5 |
7.2 |
|||
岩手県関連牛出荷平均(平成25年4月~平成30年3月) |
去勢 |
39,820 |
497.3 |
60.5 |
8.1 |
2.4 |
74.3 |
6.8 |
78.8 34.9
|
|
雌 |
28,246 |
422.6 |
58.5 |
7.7 |
2.7 |
74.5 |
6.7 |
注)岩手県関連牛出荷平均以上(皮下脂肪厚は平均以下)のものを太字で表記
(畜産研究所種山畜産研究室 専門研究員 羽田 雅紀)
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