新規基幹種雄牛「菊勝久」&「平栄福」デビュー!

ページ番号2005031  更新日 令和4年5月17日

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 平成25年から県有種雄牛への道を歩き始めた「菊勝久」と「平栄福」がついに平成30年10月、本県の黒毛和種基幹種雄牛として華々しくデビューしました!

【菊勝久(きくかつひさ)】

 「菊勝久」は、平成25年5月13日に一関市の伊東孝さん宅で、県の種雄牛造成のために選ばれたエリート牛(基礎雌牛)である母「きくまみ」と全国的に有名な父「安福久」との間に生まれました。
 基幹種雄牛への長い道のりの入り口である直接検定選抜会では、良好な発育に加え、体の伸び、肋張りが美点とされ選抜となりました。直接検定成績や産肉能力の期待値が評価された「菊勝久」は、現場後代検定牛を選抜する会議をトップの得点で通過し、平成26年秋に現場検定調査牛を取得するための試験交配を実施し、平成28年度から当研究室を含む各農家で調査牛の肥育を開始しました。
 検定成績は脂肪交雑、ロース芯面積で本県歴代最高を記録し、上物率は100%と、岩手の名牛「菊福秀」の持つ最高記録(93.3%)を塗り替えました。

【平栄福(ひらさかえふく)】

 「平栄福」(当時「中平165」)は、平成25年5月14日に奥州市江刺の菊池民雄さん宅で、基礎雌牛である母「わしゅう2」と岩手の名牛「菊福秀」との間に生まれました。過去に同じ交配で生産された姉牛を肥育し、高い脂肪交雑(BMSNo.11)を記録しており、その能力に期待が高まりました。
 直接検定選抜会では、良好な発育や皮膚のゆとりが美点とされ選抜。続く現場後代検定牛を選抜する会議では「菊勝久」と同様に多くの人から推薦され、第3位の得点で通過しました。
 検定成績は、上物率88.2%と安定した脂肪交雑の能力を示し、また関係者からは購買者に好まれる「コザシ」(霜降りが細かい)が多く見られるとの声が上がりました。

 「菊勝久」「平栄福」が基幹種雄牛に加わり、繁殖農家の皆様の選択の幅がさらに拡がりました。今後も県有種雄牛の活躍に御注目ください。

  • 「きくかつひさ」の横向きの写真

    「菊勝久(きくかつひさ)」の側貌

  • 「ひらさかえふく」の横向きの写真

    「平栄福(ひらさかえふく)」の側貌

選抜牛の現場後代検定成績

種雄牛名

(産地)

母の父

祖母の父

検定成績

性別

検定

頭数

枝肉重量

(kg)

ロース芯面積

(cm2)

バラ厚

(cm)

皮下脂肪厚

(cm)

歩留基準値

(%)

BMS No.

上物率

A5率

菊勝久
(一関市)

安福久
勝忠平
菊安舞鶴

去勢

10

537.2

65.9

9.1

2.6

75.0

8.1

100.0

45.0

10

455.3

65.3

7.9

3.0

74.8

7.9

平栄福
(奥州市江刺)

菊福秀
第6栄
安福(岐阜)

去勢

8

441.3

57.1

7.7

2.3

74.4

6.9

88.2

35.3

9

421.3

57.2

7.8

2.5

74.5

7.2

岩手県関連牛出荷平均(平成25年4月~平成30年3月)

去勢

39,820

497.3

60.5

8.1

2.4

74.3

6.8

78.8

34.9

 

28,246

422.6

58.5

7.7

2.7

74.5

6.7

注)岩手県関連牛出荷平均以上(皮下脂肪厚は平均以下)のものを太字で表記

(畜産研究所種山畜産研究室 専門研究員 羽田 雅紀)

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