転作田には湿害に強いフェストロリウムを! ~ フェストロリウム「東北1号」の実証試験を実施中

ページ番号2005146  更新日 令和4年5月24日

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 牧草は全転作面積の約27%を占めており、転作田を活用して粗飼料増産を図ることが期待されています。しかし、転作田は土壌水分が高く、牧草生育にとって不良な環境条件にある場合が多いため、耐湿性と栄養価に優れる草種が求められています。

 そこで畜産研究所では、「革新的技術開発・緊急展開事業(地域戦略プロジェクト)」の中で、耐湿性、栄養価とも優れるフェストロリウムの岩手県における適応性を明らかにすることを目的とし、県北、県南、沿岸地域の転作田で実証試験を行っています。

 フェストロリウムは、ライグラス類とフェスク類との属間交雑によって作られた新しい草種です。フェストロリウムの中でも、東北農業研究センターで育成された「東北1号」は、栄養価が高く、既存のフェストロリウム品種よりも耐湿性、収量性が優れていることが特徴です。

 平成28年9月に、県内3か所に実証圃を設置し、11月に初期生育を調査したところ、フェストロリウムは、過湿になりやすい圃場においてオーチャードグラスよりも草丈と植被率が良好であることが分かりました。また、本年の1番草収穫前には、県南の実証圃を会場として現地検討会を行い、湿地でも旺盛な「東北1号」の生育の様子を確認しました。今後は収量性、栄養価を検証し、「東北1号」の普及拡大を図りたいと考えています。

  • フェストロリウム「東北1号」の実証圃の写真

    フェストロリウム「東北1号」の実証圃

  • 「東北1号」の現地検討会の様子の写真

    「東北1号」の現地検討会の様子

(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 専門研究員 髙村 聡美)

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