ぼくらは稲の仲人さん? ~ 水稲の人工交配
人工交配は、水稲の品種改良のスタートです。人工交配とは、ある品種のめしべに別な品種の花粉をかけることです。交配して子供を作り、さらに孫、ひ孫、...と世代や子孫の数を増やしながら、優れた特性が組み合わされた稲を選び続けることにより、10年前後の年数をかけて新品種ができあがります。
交配で、どの品種とどの品種を組合わせるかを考えるのは難しくも楽しい時です。「ひとめ会ったその日から」「恋の花咲くこともある」「見知らぬ貴女と」「見知らぬ貴男に」「デートをとりもつ○○○de デート!」(古くてスミマセン。筆者は昭和の男デス)。
回りの水田から花粉が入らないように閉めきった真夏の温室で、花粉が上手く受精できるように研究員達は床や壁に水をまきます。人の不快指数は90%を超えますが、優れた品種誕生のためにはなんのその。汗だくで交配した夏も過ぎ、今は9月。稔った90数組合せの種子は静かに収穫の時を待っています。
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稲の交配の様子
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交配後の稲
交配直後は他の花粉がかからないように袋をかけています
(技術部作物研究室 上席専門研究員 仲條 眞介)
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