夏期冷涼な「やませ」気象を活かす ~ 低アミロース水稲品種「きらほ」の栽培実証
作物研究室・水稲育種チームでは、沿岸地域の復興に向け、農研機構東北農業研究センターと共同で平成25年から「食料生産地域再生のための先端技術展開事業(通称:先端プロ)」において、陸前高田市広田町で低アミロース水稲品種「きらほ」の栽培実証をしています。
平成29年は特に「やませ」が強く吹いていますが、当研究室が平成24年に育成した「きらほ」は、寒さやいもち病に強いだけではなく、この「やませ」の中でも10%前後の安定した白米アミロース含量と玄米外観品質を保つことができます。安定した品質をもつ「きらほ」は、良食味で粘りが強く、冷めても硬くなりにくいことから、弁当や冷凍米飯などの中食向けの業務用米として生産拡大が期待されています。
平成29年度は、陸前高田市広田町での栽培試験に加え、同市小友町の現地実証ほで、穂ぞろい期の窒素追肥試験を行っています。穂ぞろい期追肥により、多収穫に加え、米飯のべたつきが抑えられた加工適性に優れた「きらほ」の生産が期待されます。この「きらほ」は、秋の収穫後に実需者による加工適性や販売方法についての実証も行う予定です。沿岸地域の稲作が煌めくよう「きらほ」の作付けが広がることを期待しています。
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陸前高田市広田町の実証ほ
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穂ぞろい期追肥作業
陸前高田市小友町の実証ほ
(技術部作物研究室 主任専門研究員 小舘 琢磨)
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