県北研のニューフェイス・「薬用作物」って何?

ページ番号2005167  更新日 令和4年5月24日

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 今回は、新たに研究を開始した薬用作物の「トウキ」について紹介します。薬用作物は、主に漢方薬の原料となる作物のことをいい、トウキもまたその一つです。現在、薬用作物の多くは中国からの輸入に頼っているため、国内での生産拡大が求められています。そして、生産を拡大するためには、栽培の省力化と生産の安定化が求められています。

 岩手県は薬用作物の産地であり、その中でもトウキは主要な品目となっています。トウキの栽培は2年がかりで行われます。1年目は育苗期間にあてられ、畦立てした育苗ベッドに種を散播し、その年の秋に掘りあげた苗をすぐに圃場に定植し、翌年の秋に収穫した根部が漢方薬として利用されます。

 トウキは育苗時の生育が遅く、雑草害により苗の生産が不安定であったことから、県北農業研究所ではトウキの露地育苗苗生産の安定・省力化を目的とした試験を、平成28年度から開始しました。具体的には、雑草種子が含まれていない水稲育苗培土の覆土による除草労力の低減や黒寒冷紗被覆での遮光による安定した出芽数の確保をねらいとしています。まだまだ未知の部分が多い薬用作物ですが、試行錯誤し安定生産に寄与できる技術の開発に努力していきます。

  • 播種後1ヶ月半の「トウキ」の写真

    播種後1ヶ月半の「トウキ」
    まだ本葉2枚ですがすくすく生育中

  • 収穫時のトウキの根の写真

    2年経過して収穫時のトウキの根

(県北農業研究所作物研究室 技師 小野 直毅)

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