泌乳平準化で乳牛の健全性向上 ~ 生涯乳生産量の向上を目指して

ページ番号2005113  更新日 令和4年5月24日

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 近年、乳用牛の供用期間は短縮傾向にあり、平成24年度の平均除籍産次は3.5産に低下しており、生涯生産量の減少が課題となっています。また、乾乳期間を短縮することにより2産以上の乳牛では泌乳ピーク時乳量が低くなるものの、305日乳量は変わらず泌乳平準化が期待されています。しかし、初産牛では305日乳量が減少することが報告されており、初産~2産間の乾乳期の飼養管理方法の改善が求められています。また、乾乳期間短縮後の生産性や繁殖性への影響も明らかになっていません。

 そこで当研究室では、平成29~32年度の4年間、革新的技術開発・緊急展開事業(うち人工知能未来農業創造プロジェクト)の「乳用牛の泌乳平準化とAIの活用による健全性向上技術の開発」に参画し、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センターを研究代表機関に全国16県及び関係団体で協力し、酪農家経営調査と飼養試験の協定試験を行い、乾乳期の管理が平準化と健全性に及ぼす影響を明らかにし、生涯生産性を高めるための飼養管理技術について検討しています。

 今後は、将来の酪農経営に役立つ泌乳平準化乳牛の飼い方マニュアルを構築することを目標としています。

日本のウシの泌入曲線のグラフ
日本のウシの泌入曲線
生涯泌乳曲線モデルのグラフ
生涯泌乳曲線モデル
どちらの曲線も各産次の乳量は同じ
  • 平準化によって健全性が高まり、泌乳期間を延ばせる。
  • 治療費も減って、生涯乳生産量の向上と低コスト化が両立。

(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 主査専門研究員 伊藤 孝浩)

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