岩手ならではのユニークな作型に挑戦 ~ 露地・半促成向けイチゴ品種の「低温カット栽培」

ページ番号2005131  更新日 令和4年5月24日

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 陸前高田市にある南部園芸研究室では、イチゴの促成栽培や夏秋どり栽培のほか、全国的にもユニークな「低温カット栽培」に取り組んでいます。低温カット栽培とは、半促成栽培に類似した作型ですが、収穫期を無理に早めず、外部被覆によって低温遭遇時間を調整することにより半休眠状態で休眠期間を延長するもので、露地栽培よりも早く収穫が開始できる作型です。この作型は、岩手県をはじめとした東北の寒さを利用した、全国的にも珍しい作型です。

 以前このコーナーで紹介した、東北地域でのイチゴの共同育種の取り組みにおいて、当研究室ではこの低温カット栽培を行い、優良系統の選抜を行っています。平成29年度は、前作で収量性や果実品質に優れると判断した2系統に加え、新たに1系統を9月下旬に定植しました。最低気温が5℃を下回るようになった現在は、株が休眠へ向かいロゼット化してきています。春以降の収穫期に多収を実現するため、厳寒期前までにしっかりと株づくりを行うことが重要です。これからは徐々に保温程度を高め、4月下旬からの収穫に備えます。寒い冬を乗り越えて、たくさんの果実をつけてくれる春が今から楽しみです。

 今後も各系統、対照品種の特性が発揮されるよう、温度管理をしっかり行っていきます。

  • 試験ハウス内の様子の写真

    試験ハウス内の様子

  • ロゼット化が始まった株の様子の写真

    ロゼット化が始まった株の様子

(技術部南部園芸研究室 専門研究員 鈴木 朋代)

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